ヤマケイ文庫 山の不可思議事件簿

著者 :
  • 山と渓谷社
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 18
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635048996

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 上村信太郎『山の不可思議事件簿』ヤマケイ文庫。

    極めて真摯に山で起きた不可思議に向き合ったノンフィクション。冷静沈着に事実を中心に描かれており、伝説や怪談の類いは少し控え目なのが良い。

    理論的に説明できる山の不可思議現象もあれば、説明不可能な現象もある。事実は存在しても、その理由は謎であったり、忘れ去られようとする怪現象など山の奥深さと自然への畏怖を感じる内容だった。

    第1章の奇妙な現象では、黒部ダムの工事現場で起きた消えた4階建て宿舎、大雪山に残されたSOS文字の謎、ジョージ・マロリーのエベレスト登頂の謎、アンデスやヒマラヤ、日本国内の山からの奇跡の生還が興味深かった。マロリーのエベレスト登頂を巡る謎を描いた小説に、夢枕獏の『神々の山嶺』やジェフリー・アーチャーの『遥かなる未踏峰』があったことを思い出した。

    第2章は、恐怖と神秘がテーマ。アイガー北壁やナンガ・パルバット、ミニヤ・コンガなどの難攻不落の山々の話は興味深い。アイガー北壁をテーマにした小説では、ボブ・ラングレーの『北壁の死闘』が有名だ。また、本書にも描かれているアイガー北壁での史上最悪のドイツ隊とオーストリア隊の遭難事件を描いた映画『アイガー北壁』は数ヶ月前にBSで放映された。ナチス時代のドイツは国威発揚のために様々な未踏峰への挑戦を推奨していたようで、エベレストを最初に登頂したのはナチスの山岳兵士だったというテーマのハリー・ファージングの傑作小説『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え』は記憶に新しい。

    第3章のテーマは、伝説と怪談。猫又伝説に埋蔵金、幽霊などの怪談が紹介される。

    第4章は、謎の生きもの。有名なところでは雪男、ツチノコ。絶滅したとされるニホンオオカミやニホンカワウソにはロマンを感じる。

    本体価格750円
    ★★★★

全2件中 1 - 2件を表示

上村信太郎の作品

ツイートする
×