日本のウナギ 生態・文化・保全と図鑑

  • 山と渓谷社 (2024年7月19日発売)
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感想 : 5
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635062855

作品紹介・あらすじ

ウナギの川や河口域での生態を明らかにしながら、ウナギの保全に重要な日本の河川・自然環境を考えます。
また、食や文化などから古くから日本人に愛されてきたその歴史をたどり、ウナギと日本の過去、現在、未来を考えます。
ウナギ尽くしの1冊です。

近年減少が騒がれ、注目されるウナギ。
「謎が多い」とされてきたものの、近年研究が進んできた野生ウナギの生態に迫ります。
写真には、水中写真に定評のある内山りゅう氏の水中からのダイナミックなカットや見たこともないカットを贅沢に使用。
使用写真の中には本邦初公開となる貴重な写真も含まれます。

前半部は、ウナギとはどのような魚なのか? といった解説や、近年日本ではじめてシラスウナギが見つかったウグマウナギを含めた日本に生息するウナギの図鑑部分を魚類生態学の専門家である脇谷先生が、担当します。
後半部では、保全生態学の専門家である海部先生による最新の知見や研究成果とともに、川や河口域でのウナギの生態をビジュアルで解説する第3章、縄文~江戸~現在まで続くウナギ文化や漁法、そして食に関する第4章、さらに現在減少が騒がれるニホンウナギの保全に重要な日本の河川・自然環境を考える第5章と続きます。

日本のウナギ属魚類書籍の決定版です。

感想・レビュー・書評

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  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000072452

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BD07899981

  • 借りたもの。
    待望のウナギバイブルと言って過言では無いと思う。

    ウナギの生態、その種類を豊富な写真ヴィジュアルで解説。更にウナギ漁の方法から、世界のウナギ料理の紹介まで!!

    私が、一番気になっていたのは、第5章 日本人とウナギの未来。

    へんないきものチャンネル『【闇深】絶滅危惧種のウナギ、食べてもいいの?深刻な稚魚密漁問題』( https://www.youtube.com/watch?v=pzAyfVackMA )を拝見して、シラスウナギの密漁問題に、日本の制度や行政…何より漁業関係者の足並みが揃わない事に、苛立ちを覚えていた。
    私は過剰な消費およびそれに伴うシラスウナギ漁の制限が必要ではないか?と考えていたが、生息環境の悪化が大きな要因になっているとの言及に、絶望的な気分になる。

    中央大学YouTube『放流ウナギは天然ウナギに勝てるのか?』( https://www.youtube.com/watch?v=Lz8pB2pYl5g )では、養殖ウナギは放流しても自然界で逞しく生きていけない…という残念な実態を検証しており、これらが事実であれば、日本人は絶滅を止められないという事なのか…?

    この本のデータが、絶滅したウナギ最後の記録とならないように願い、今後の研究や資源回復の成果に繋がって欲しいと切に願う。

    塚本勝巳『ウナギのなぞを追って』( https://booklog.jp/item/1/4323057539 )と併読。

  • ◆第1章 ウナギという魚
    ウナギとはどのような魚か?/カライワシ上目の概要 レプトセファルス幼生期をもつウナギの仲間たち/ウナギ目の系統と分類/ウナギ科の系統と分類/ウナギ属内各種/ウナギの外部形態/回遊と生活環

    ◆第2章 日本のウナギ
    日本で見られるウナギ メジャーな2種と希少な2種/ニホンウナギ/オオウナギ/ニューギニアウナギ/ウグマウナギ

    ◆第3章 日本のウナギの一生
    ニホンウナギの生態 接岸から降河まで/接岸 海流によってたどり着き、匂いで川を知る/遡上 満潮にのって遡上をはじめ、さらに上流へ/隠れ場所 ウナギにとって重要な身を隠す場所/捕食 夜間に活動し、さまざまな餌をとる/被食 小さなうちは敵も多い/個体間の争い 餌や隠れ場所を巡る争い/産卵回遊 住み慣れた川を離れ、産卵場へ/河口ウナギ・海ウナギ ほとんど遡上せずに暮らすウナギたち/オオウナギ 知られざるその生態/ウナギの採集調査

    ◆第4章 日本人とウナギ
    日本人とウナギの歴史/縄文・弥生時代 出土する骨から知る当時のウナギ事情/奈良~安土桃山時代  日本の文化に入り込むウナギ/江戸時代 豊富な文献から読み解くウナギ/明治時代~令和 養鰻がはじまり、養殖ウナギが消費の中心に/養鰻/今も続くウナギ信仰
    縄文・江戸・現在のウナギ分布比較/縄文・弥生時代におけるウナギの分布/江戸時代におけるウナギの分布/現代におけるウナギの分布/ウナギ属魚類自然分布変動の要因/内陸部への遡上
    ウナギの漁獲/シラスウナギ漁/黃ウナギ・銀ウナギ漁/ウナギ釣りに使う道具/さまざまな釣り餌/岡山県児島湾の天然ウナギ漁
    ウナギを食べる/ウナギの栄養価/鰻蒲焼きの誕生/鰻丼の誕生/蒲焼の作りかた/日本のウナギ料理/世界のウナギ料理/美味しいウナギとは?/江戸時代の文献から辿る美味しいウナギの条件/頭部形態と味/江戸時代の「美味しいうなぎ」の特徴と養殖ウナギ

    ◆第5章 日本人とウナギの未来
    保全/ニホンウナギの集団構造と国際協力/海の環境変化/過剰な消費/生育場環境の劣化/放流/完全養殖/日本の消費が世界に与える影響/保全に関係する国際条約/世界で行われる保全の取り組み/日本人とウナギの未来

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