- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635063081
感想・レビュー・書評
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「ヒル」ほど嫌われている生物はいないでしょう。
その謎につつまれた生態を小中学生たちが解き明かしていきます。
私の住む地域も少し遠出するとヒルスポットがあるので他人事ではありません。
・ヒルは二酸化炭素濃度の変化に反応する。
・ヒルは体温くらいの温度に反応する。
・反応する範囲の限界は2.5m。
・木から落ちてこない。
・5%くらいの塩水でも死ぬ。
など貴重な生態を知ることができます。ヒルスポットに行く際には役立つことばかりでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
そもそもヒルって見た事無いんですよね。映画や小説なんかでは出てきますが、山登りもフィールドワークもしない身としては遭遇する可能性は低い生物です。
でも尺取虫のように人に迫ってきて、気が付かないうちに人から吸血するヌメヌメした生物なんて好きな人居ないですよね。僕もちょっとつかむの躊躇すると思います。ミミズ触れるけれどやっぱり嫌だもんねえ。
そんな嫌われ者のヒルの通説を、小学生たちが地道な研究で覆した痛快なノンフィクションです。
当然導き手の大人たちは居るのですが、彼らも初めて知る事な訳で、答えが分かっている実験に導いている訳ではないんですね。そこが本当に素晴らしい。
ヒルが木から落ちてくる、シカがヒルをばら撒いている等、常識とされていた通説を覆していくのは本当に読んでいて胸が熱くなるし、好奇心というのは新しい事を発見する一番重要なエネルギーなんだと実感しました。
ヒルにも詳しくなったし、ちょっとかわいくも思えてきます。実物見たらとても受け入れられないと思いますが・・・。 -
主体的な学びという、学校ではよくテーマになる学習を地でいっている感じ。しかし自分や自分の子供たちの経験を通してみれば、実際の小学校で、主体的な学びというものは、あまりないように思える。学校の先生の筋書きがあって、そちらに誘導されているような風に思えてならなかった。しかしヒル研は一人一人の子供が主体的に学んでいて、その姿が頼もしかった。
写真が白黒でちょっと見にくいのが残念。イラストなどを入れていくれたら、分かりやすかったように思う。またちょっと文章がとっちらかているようにも思えた。先生は一人一人の子供の人となりが分かっているから、このような書き方でもいいのだろうが、子供の前情報がない読者には、話が細切れになっているように思えた。 -
2011年から10年ほど三重県で活動している「子どもヤマビル研究会」の活動の様子や成果が綴られている。ヒトの血を吸うヤマビル、その生態はあまり研究されたり知られたりしていないと言い、知的に興味深く読んだ。もちろん、ヤマビルに対して素直に探究心をぶつけ、自分たちの疑問や考えへの答えを追求していく姿、感心したり応援したり。
そして、著者の樋口さんを含め、周りで支える、ガイドする大人たちが素晴らしい。こんなチャンスがもっと多くの子どもたちの身近にあれば、自然や考えることが大好きな子どもが増えるに違いない。
見るからに気持ち悪く、そしてヒトの血を吸うという生態から、嫌がられる、避けられる存在のヤマビル。だからこそ、思い込みや迷信が多く、その代表的なものが、タイトルになっている「ヒルは木から落ちてこない」だと。子どもたちは、それを証明するための実験方法を考え実践し、そして発表会で迷信を捨てられない多くの大人たちと論戦を繰り広げ、どんどん逞しくなっていく。 -
本の雑誌ベストから。これは、ノンフの一つの理想形。純粋に、ヒルが木から落ちてこない事実一つとってみても興味深いし、小学生中心に行われた研究だから、そんなに小難しいことも行われないから、分かりやすい。仮説の立て方や解釈の仕方につき、自然の流れで説かれていくから、気が付けば研究のイロハについても教えられている、という結構。比較的近所ということもあり、我が子も参加させたい欲求にまで駆られてしまった。素晴らしい一冊。
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身近にいるヒルの生態を調べた本
疑問を実験して解決していく
分かりやすく良い -
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