- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635258043
作品紹介・あらすじ
大震災、大噴火、食糧危機、エネルギー危機、経済恐慌、地域紛争、地球温暖化…。文明が危機にさらされ、電気もガスも使えなくなったとき。日用品や食料品が底をついたとき…。どんなときでも、縄文人の知恵と技術があれば大丈夫。この一冊があなたの危機を救う。
感想・レビュー・書評
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縄文人はどんな生活をしていたのか。
火を起こして、石斧で漁をして、縄文土器を作って・・・と、おおよその想像はつきますが、それを実際に体験してみるというおもしろい試み。
ボーイスカウトの発展形かしらと思いましたが、日本には実際に縄文式生活を送る「縄文さん」という人がいると知りました。
三重の名家の当主だったのが、50代で縄文人になることを決め、たった一人で竪穴式住居を作ったのだとか。
すごい人です。
おそらく、家督を子供に譲ってのことでしょう。
伊能忠敬のようなその半生が気になります。
その格好はまさにタイムスリップしてきた古代の人間。板についています。
縄文人と弥生人の特徴がリスト化されており、見た目的には、縄文さんは弥生人タイプ、そして著者の方が縄文人タイプでした。
あの時代の人は火をおこせて当然だと思っていましたが、縄文人や、現在のアフリカの少数民族は、実際にはめったに火をおこさなかったとのこと。
一旦起こした焚き火を絶やさず、火種を保存しておいたそうです。
毎回摩擦で火をおこすのは、やはり古代人でも大変ですね。
石を尖らせて作った石器は、鉄のナイフより血のりや脂がつきにくいのだそう。
獣や大型魚を解体するにも全く不便を感じないのだそうです。
鋼鉄の斧は、当時使われていた石斧のおよそ四倍の性能だとのこと。
一万年のブランクがあっても、斧のクオリティは四倍にしか上がっていないということで、そう思うと、ずいぶん彼らが身近に感じられてきます。
縄文時代に布は編んで作られ、縄文ポシェットの作り方も紹介されています。
編布台での編みこみを、去年体験したことを思い出しました。
生活作業の一つ一つに目を向けてみれば、まさに現代につながる人間のベーシックな行動が見えてきます。
こうした知識は、今でもアウトドアに十分活用できているもの。
手作業でのものづくりや、不測事態のサバイバルライフに直面した時にも活かせるでしょう。
縄文さん(山崎三四郎氏)は、自宅に縄文博物館を開いているとのこと。
また、著者が理事をつとめる「古代発火法検定協会」なるものがあるなど、おもしろそうな情報が得られました。
アウトドアで物足りなくなったら、思い切って縄文ライフを送ってみるのも楽しそう。
そうした体験宿泊施設ができればいいなと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示