黒部源流 山小屋料理人

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  • 山と渓谷社 (2025年3月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784635330848

作品紹介・あらすじ

北アルプス・黒部源流の山小屋、薬師沢小屋で働くイラストレーターのやまとけいこさんが送る、山小屋の厨房が舞台のエッセイ集!

「山小屋料理人」の仕事は、限られた食材をやりくりしながら、宿泊者と従業員のおなかと心を満たすこと。
日々の調理はもちろんのこと、ヘリコプターで運ばれてくる食材の管理を試行錯誤したり、隙あらば食材を狙う小動物との攻防戦を繰り広げたり――。そんな山小屋の厨房ならではの苦労や悩みを、従業員らと力を合わせて、工夫とユーモアで乗り越える。
食材やメニューを切り口にして、山小屋料理人が抱える苦悩と喜びをユーモラスな文と親しみのわくイラストで綴ります。食材に紐づくレシピも満載!

*本書は『山と溪谷』2023年1月号から24年12月号まで掲載した大人気連載に、書き下ろしの文とイラストを加えたものです

みんなの感想まとめ

山小屋の厨房での生活と料理の工夫を描いたエッセイ集は、限られた食材を使いこなす著者の奮闘をユーモラスに綴っています。ヘリコプターで運ばれる食材の管理や、野生動物との攻防が織りなす日常は、読者にとって新...

感想・レビュー・書評

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  • 山小屋の管理人の方が書いた本。絵も描かれているみたいで、とても読みやすい。
    人の生活になんといっても大事なのは食事で、山小屋では食材を届けるのはヘリコプター。年に2-3回しか利用できないので、どうしたって話題の中心は食料の保存の仕方になってしまう。そして料理のレシピ。

    山小屋にもよると思うけれど、なんと冷凍庫はあっても(ないとこもあるらしく、そこでは肉料理は供されないようだ)冷蔵庫がない。冷蔵庫がないと、野菜の保存はたいそう難しいようだ。

    それと下手に置いといたら、野生生物が食べてしまうらしい。食べ物のイラストの隅には大抵ヤマネくんが書き加えられていて、このヤマネくんがヨーグルトにぼっちゃりとはまっていたり、りんご食べちゃったり、トマト食べ散らかしてフンまでしてったので廃棄しなきゃだったりで大変そうだ。可愛いんだけどねぇ…

  • 山小屋での、食材の保存の仕方がよく記載されていた。食材の調達は、シーズンに複数回来るヘリコプターが運ぶ。限られた食材とその在庫管理(ヤマネとネズミに食材を食べられることも多い)を考えて調理、提供するのは至難の業だと感じるが
    著者の対応力とやさしい絵で楽しく読めた。

    山小屋での生活は
    工夫と、ないなら作ろうの姿勢で多種多様なご飯が作れるとわかったし、手間暇かけて作られたご飯は美味しいだろうなぁと思った。

  • 山深い黒部源流の山小屋で働く著者による、
    山小屋の食事情をイラストと共に綴った、エッセイ集。
    ・はじめに 薬師沢小屋厨房事情
    ・黒部源流概念図
    食材、料理、調味料を主題にしたエッセイ23編
    厨房エッセイ4編
    ・おわりに

    山深い黒部源流の薬師沢小屋で働く著者による
    エッセイは、下界とは異なる厨房での食材と料理の話。
    ヘリ搬入の悲喜こもごもに、限られた食材。
    小動物との攻防、下界とは違う食材管理。
    宿泊者と従業員の命綱にもなる料理を工夫する喜怒哀楽。
    更に、彼らとの人間関係も楽しく語っている。
    冷凍庫あれども冷蔵機無しは思った以上に大変です。
    でも、食材の保存や料理の工夫には、下界の私にも
    役立つヒント多数。読み易い文章と書き文字、イラストで
    大いに参考になりました。
    そして食材の命を生かす仕事という心意気にも、感動!
    そういえば前回レビューを書いた「黒部源流山小屋暮らし」。
    著者名が“やまもとけいこ”になってるけど、ミス?

  • 黒部山系にある薬師沢小屋で現在は支配人をつとめる著者。山小屋に入り始めた頃は、長らく料理を担当していた。そんな山小屋料理人からの山小屋ならではの苦労と工夫。カラーイラストとともに楽しんだ。

  • こういう制限のある中での料理というのは面白い。南極料理人とかね。冷蔵庫なし、頻繁な買い出しは不可能なこちらの山小屋、その中でもお客さんにいいものを提供しようと知恵を絞り工夫している姿が参考になる。

  • 登山にハマり、来年は山小屋泊をしたいなあと思っていたところ本書を見つけ購入。

    山小屋という、物資の限られた場所でどうやりくりしていくか、凝らされた工夫の数々がリアルながら優しいタッチのイラストと共に紹介されていて、あっという間に読んじゃいました!
    そして山小屋への感謝と尊敬の念がさらにさらに芽生えました…。

    印象的だったのは薬師沢の幻そうめん。需要がある商材だったけれど運用面が課題で上手くいかず…。というエピソード。
    10年越しに他メンバーからあがったそうめん案。以前の失敗を考えたら却下しそうですがあえて否定せずもう一度やってみよう。と、けいこさんの懐の深さに感心してしまいました。

    長年山小屋にいたら「勝手知ったる自分」が出てきてしまいそうだけど、けいこさんは違う。
    なんというか、仕事としての山小屋生活、ではなくて山小屋生活の中に仕事がある、というか…皆の意見を尊重して楽しく、色々トライしてみよう!という、その豊かな心持ちが絵柄やエピソードにも表れているな…と感じました。

    日常生活でも、食材の命をいただく、という大事な気持ちを忘れずに、感謝して無駄なく頂いていきたい…とひしひし感じる本でした。

    そして、山小屋って短期のアルバイト募集が多いんですね…!もう少し山に慣れたら、仕事の合間に働きたい!!って思っちゃいました!!

    個人的に作りたいなと思ったのは、里芋のアイスクリーム、グリーンカレー、手作りスパイス塩!

  • 山ご飯とはまた違う、山小屋ご飯。山で働く人ならではの特権飯が羨ましい。特にピザとススタケ。

    下界で豚の角煮を大量に仕込んで、それを凍らせてヘリで荷上げするのには驚いた。ハイシーズンにはそれだけ多くの登山客が来るということもそうだが、その角煮を保管できる冷凍設備があることにも驚きだ。
    無限にヨーグルトを作れるシステム、美味しくできるのなら私も作ってみたい。

    大分のやせうまは本当に美味しいので、ぜひ完成版やせうまを作者に食べて欲しいところだ。

  • 苦労の絶えない山小屋料理人。ほのぼのとしたイラストと、失敗にもめげず笑顔でアグレッシブな著者に引き込まれる。山小屋の食事の進化は目を見張るばかり。インスタントラーメン一筋の身からすると、「そこまで」とも思うが、みんなの「おいしい」を作って笑顔を見たいと奮闘している薬師沢小屋訪ねて、ヤマネにも会いたくなった。

  • 黒部源流の薬師沢小屋で働く著者の可愛いイラスト入りの料理や食材確保、保存にまつわる動物との攻防などが色々と綴られた書籍。自分では経験できないことや、尻込みしそうなことを楽しくされているようで面白かった。

  • 絵が可愛くて文章も面白くて、あっという間に読了。学生の頃ワンゲル部で北アルプスを10日間近くかけて縦走した日々を思い出しました。当時はテント泊だったので山小屋は利用しませんでしたが、薬師岳にも行きました。

  • 私も若い頃、山小屋でバイトした。しかし、高山植物の監視員。だから、調理には、全く関わらず。毎日山に登った。昼食メニューは、巨大おむすび。どんぶり2杯のご飯の中に色々なおかずが入っていた。最初食べきれなかったが、毎日山に登るうちに平らげられるように。今思うと毎日の美味しい料理を作って頂き、山小屋の管理をされていた方に感謝の気持ちが足りなかったかも。誰よりも早く山に登り、誰も居ない高山植物の宝庫の場所で、ハイカーや観光客を待つ。ある時間帯は、混雑の極みと化す。が、再び静寂に包まれる。大自然独り占め!

  • 下界とは何もかもが違う山小屋で懸命に命をつなぐ。野菜類、卵たち。野生動物と戦いながらお客さんに、従業員に食事を出す。それがいかに大変か。私は登山はしないけど、下界とは違う世界でこれだけ美味しそうなご飯が出てきたら幸せでしょうね。

  • やまとさんの3冊目。
    これまでの2冊とは違い『料理』に特化。
    とはいえ、そこは山小屋。
    下界とは違う『料理』の世界。
    下界の料理を山小屋でやるには、一工夫も二工夫も必要なわけですが、そこにやまとさんのエッスンス。
    山小屋→下界はできそうかな?

  • 黒部源流 山小屋料理人

    著者:やまとけいこ
    発行:2025年3月25日
    山と溪谷社
    初出:『山と渓谷』2023年1月号~24年12月号連載
    https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=3883

    著者やまとけいこ(大和景子)は、1974年愛知県生まれ、武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒、2003年より黒部源流の薬師沢小屋ほか富山県の山小屋で働き始め、20年には富山県に移住、夏は薬師沢小屋で働き、冬は下界で絵を描いたり文章を書いたりしている。『黒部源流山小屋暮らし』という著作も出している。本書にも、楽しく、ほのぼのとしたイラストがたくさん載っている。

    山小屋での仕事は主に調理で、薬師沢小屋の厨房長だったが、21年から支配人となり、受付を主にし、調理することは少なくなったと書いてある。ただ、本書については料理人としての体験が書かれている。調理のこと、食材調達のこと、従業員のシーズン中の食料確保のこと、そして若い厨房人(長期アルバイト)育てのこと、などが綴られている。従業員は多いときで5人、普段は3人、うち1人は受付。

    食料は下界からヘリコプターで運ばれてくるが、荷上代の高騰やコロナ対策による従業員の削減により、困難の度を増している。一度に大量の食品が来ると、冷凍庫や食料庫に収まらない。さらに食材の管理が生命線にもなる。傷むこともあるが、動物にもやられる。とくにヤマネ(リス亜目の日本固有種)やネズミなどの小動物。毎日来る登山客への食事提供と並び、シーズン中はずっと住み込む従業員への賄いが基本的な仕事となる。ヘリコプターの他には、歩荷となるが、山小屋グループのスタッフだけでなく、常連客に頼んだり、長期アルバイトに与えられる3泊4日の休暇帰りに頼んだりもする。

    山小屋のシーズン始まりは5月末の小屋開けから始まる。標高2300メートルの太郎平(たろうだいら)小屋を開け、さらに分散して、薬師沢小屋、高天原(たかまがはら)山荘、スゴ乗越(のっこし)小屋と開けていく。4軒を運営している太郎平小屋グループ。著者が働くのは薬師沢小屋で、7ヶ月ぶりに陽光を室内に入れ、シーズン開業の準備をする。掃除や湿った布団を干すなどの作業を手際よくするが、名物は年越しして保存しておいた食品が動物たちに散らかされていること。米などは散らばってライスシャワーとなっている。登山道整備も欠かせないようである。

    動物たちは、油っけのあるものが大好きで、フライドニンニク、練りゴマ、カレーリーなどがやられているが、干し椎茸や海藻類は人気がない。

    ヘリコプターからの荷物はドサッと着地し、ワイヤーとモッコの吊り綱が落ちてくるが、段ボールの中には卵も入っている。だが、モールドトレーに縦に入っている卵は意外に大丈夫。それでも一つや二つはヒビが入っているし、中には割れていることもある。チェックが欠かせない。スーパーで売られているような状態、プラスチックパックの卵は半分ぐらい割れていたので、以後は注意するようになった。

    炊飯はガス炊飯器を使うが、標高が高くて沸点が低いため芯が残る。炊き方は結構難しい。

    山小屋の焼却能力には限界がある。とくに弁当で食べきらなかったおにぎりなどは、なかなか燃えてくれなくて苦労する。できることならば、弁当の残りやガラは持ち帰ってもらえると有り難い、とのこと。勉強になる。

    同僚が3泊4日の休暇で下界へ。帰りにデパートで思わず鰻の蒲焼きを買ってしまったという。大喜びで発泡スチロールを開けると、鼻を突いたのは鰻の香りではなく、納豆の匂いだった。納豆も買ってきて、歩いて運ぶ途中で匂いがまざってしまったか。蒲焼きを食べると、味は蒲焼きだが匂いは納豆だった。

    長期で山に住み込んでいると、日常ではなんでもない食べ物が食べられず、どうしてもほしくてたまらなくなる。例えば、アイスクリーム。発電機を昼間しか回さないので、どうしても昼に溶けかけてしまう。もっと身近なのもとしては、パン。客に出すようにロングライフパンを置いているが、売り物なので従業員が食べることは基本的にはない。お土産にパンをいただくと、従業員のテンションが上がる。

    *********

    著者は祖父や祖母の戦争体験をきっかけに、小学生の頃に戦争に書かれた本を図書館でさがして読みふけったが、戦時中、捕虜にゴボウ料理を出したら、戦後。木の根を食べさせた廉で料理人がBC級戦犯として処罰された、と書かれていた。

    「はっと」
    宮城県の北部、登米(とめ)地方の郷土料理。伊達藩による藩政時代、米を食べることのできない農民たちが、小麦粉を練って茹でたものを食べるようになった。農民が米作りをおろそかにするのではと領主がハレの日以外に食べるのを禁じたため、「法度」と呼ばれるようになったとのこと。「はっと汁」は、小麦粉を練って細く長く伸ばした形状のものが入った汁。

    「やせうま」
    大分県のソウルフード。小麦粉を練って、太い麺のようにのばし、ちぎって茹でたもの。それを冷やしてきな粉をまぶす、団子のような食べ物。平安時代、お寺に参詣に向かう道中、小さな若君がお腹がすくと乳母の八瀬(やせ)に「うま」(幼児語で食べ物のこと)と言い、八瀬はその他紅この団子を作ったのが由来。「八瀬うま」だった。

  • 山小屋の食事事情が分かって面白かった。
    思ったより豊かなんだな。動物たちや自然環境との攻防が大変そう。

  • 普通の内容なのにそれ以上に面白く感じるのは絵の力なのかしら。軽い読み口が時代にあっているとは思う。

  • 黒部源流の薬師沢小屋で料理人から現在ひ支配人を努めるイラストレーター。
    「黒部源流山小屋暮らし」に続く作品。雑誌「山と溪谷」に連載された人気コラムから。
    食材が限られる中からどうにか食べたいメニューを再現したり、食材の保存方法に苦慮したり。
    魅力的なイラストと共に、ちょっと違った角度から山の魅力を伝える良作。

  • いっぱい笑った!
    山に行きたくなる!
    キャンプしたくなる!
    山ごはん作りたいし食べたい♡

    私も学生時代とかに、こんな山小屋でバイトしてみたかったなぁ。
    この、あるものでなんとかしようとする試行錯誤する過程も楽しいし、失敗しても笑い合える仲間がいるのも良い♡

  • 先日、BSフジで著者のやまとけいこさん自身が出演し、薬師沢小屋の小屋開けに同行するという番組を観た。実際の映像で小屋の姿と場所を確認すると、本書にあるイラストが味わい深くなる。著者のイラストは、ほんのりゆるやかでとても心地よい。夏は小屋暮らし、冬は富山で都会暮らし、こんな二重生活に憧れる。
    「やまとけいこ」って「く」を付ければ「山と渓谷」だね。

  • 登山はしないけど、行ってみたくなる

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