- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635340274
作品紹介・あらすじ
昭和十一年一月、北アルプス・槍ヶ岳北鎌尾根で消息を絶った加藤文太郎。彼は、たったひとりで冬山を次々に踏破し、「単独行の加藤」として名を馳せていた男だった。案内人(ガイド)を連れた登山があたりまえだった時代、あえて単独行を選んだ彼は、決して特別な存在でも、超人的な力をそなえていたわけでもなかった。ごく普通の人間的な弱さをもった男が、なぜひとりで、しかも苛烈な冬山を志向したのか?構想35年。谷甲州が、史実を元に真実の加藤文太郎像を描ききる。『山と溪谷』に好評連載され、大幅に書き下ろしを加えた、本格山岳小説。
感想・レビュー・書評
-
「孤高の人」と比べてしまうが,こちらは山行や記録にとても詳しく臨場感あふれ実際そこに雪嵐が吹いているかのようだった.大学山岳部やガイドとの齟齬,口下手だけでは片付けられない人間関係の上手くいかなさがよくわかる.ただ小説としては孤高の人の方が好きだ.
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山岳会の資料など駆使して、加藤文太郎氏に迫っている作品。
新田次郎の描いた加藤文太郎氏のイメージが損なわれるかなと思ったが、
輪を掛けて独特の方だなと思った。 -
加藤文太郎伝
-
傑作。文章がうまく、物語に入り込むことができ、文太郎の弱さに苛立ったり、面白さに振り回された。「孤高の人」の方が良いという人がいるのは意外だ。
-
積読山の踏破を目指してヤマケイもの!
-
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04069597 -
分厚かった〜〜笑
谷甲州さんの物語も悪くないです。加藤文太郎のイメージは私の中でぶれないし。それなりに楽しめました。ただ、やっぱり「孤高の人」の方が小説として面白かったです。
もう一度「孤高の人」読むかな? -
他の作者の「加藤さん」の行動を記した内容とは、大分違う。それでも、この人は、行動の人だったと思う。自分の信念に忠実に行動する。周りをあまり気にせずのイメージが、変わった。当たり前かも?
-
孤高の人ともちろん内容は結構被るのは当たり前だが、山行がやや重視して書かれてます
無駄に脱線してないのは評価
ただ新田さんの本持ってれば特にという気も -
昭和初期の実在の登山家・加藤文太郎の小説。「孤高の人」よりいろんな意味で人間っぽく描かれていた。孤高の人は一般の人が読んでも面白いと思うが、こっちは山行の描写が多く、実際に山を登る人の方が楽しめる。500ページくらいあるので、文字通り一緒に山を登るように読んだ。