ALONE ON THE WALL アローン・オン・ザ・ウォール 単独登攀者、アレックス・オノルドの軌跡

  • 山と渓谷社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635340311

感想・レビュー・書評

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  • 著者の感覚が一般人と違うため、文章だとあまり凄さが伝わってこない。本人のさらっとした描写を補うために共著者が凄さを説明してくれてはいるのだが、天才というのはそういうものなのだろう。映像作品がたくさんあるようなので是非とも目で確認したいと思った。

  •  ドキュメンタリー映画 Free solo の主人公「アレックス・オノルド」の自伝。アレックス・オノルドを既に知っており、興味がある人にとっては★5。山のアクティビティをしていて、クライミングに興味がある人には★4。登山はするけどクライミングに興味がない人には★3。山のアクティビティには全く興味がない人には★1といったところ。
     山のアクティビティは、一般的な日帰り〜1,2泊の山小屋を利用した登山(春〜秋)、冬山登山、縦走(テント泊)、トレイルランニングなどがあるが、個人的に一番敷居が高いと感じるのがクライミングである。そのクライングのなかでも命綱なしで行うフリークライミングで世界的に有名なのが、アレックス・オノルドである。
     You Tube で検索して見つかる映像をみれば、クライミングをしたことがない人でも、この青年が只者ではない、しかもかなり飛び抜けたレベルにあることが容易にわかると思う。
     You Tube での動画をみて彼に興味をもって本書を読んだ。度胆を抜くフリーソロの映像だけでは知り得ない、ひととなり、どこにでもいるような青年らしい(と感じさせる)悩みなどを知ることができる。
     読後に映画 Free Solo を見ると、彼の偉業(と同時に異形)を深く感じ取ることができると思う。

  •  映画『FREE SOLO』を見て、アレックスの為人に興味を持ったので読んでみた。
    映画で観たとおりの、真摯な生き様、そしてクレバーな面を持つ人物ということが良く判った。

     “No Big Deal(たいしたことない)”が口グセ。 何ごとも準備万端に臨めば、当人としてはそう言わざるを得ないのだろう。そのことは映画を観ていても良く判った。内気で謙虚に見える表向きと、実は内面の情熱的で負けず嫌いな部分を、巧く自分で乗りこなしているのが、その筆致からも伺えた。

     リスクに対する考え方も、実に合理的だ。「結果とリスクを区別する」 これは、メモっておくべき金言だろう。

    「ぼくはいつもリスクのことを、”実際に墜落する可能性”と呼んでいる。結果とは、実際に落ちたときに起きることだ。つまり、ぼくはソロで登るときのリスクを低く抑えようとしている。もし落ちたら本当に重大な結果になるとしても、落ちる可能性が低くなるようにしているんだ」

     「重大な結果=死」を招くかもしれない。ゆえに周りは、危険なことと騒ぐが、それがリスクではない。落ちたら、そうなるが、「墜落する可能性」がリスツだとすれば、その確率は己の努力で、いくらでもミニマイズできるということだろう。 つまり、可能性が下がれば「リスクは負っていない」ということになる。 なかなか、その達観は得られないものだとは思うけどね。

     身体のコントロールは勿論のこと、心をコントロールする術に長けているのだろうなと感心した。身体的バランス感覚もだが、空間認識のバランス感覚も素晴らしいのだろう。巻末の方にあった、このエピソードが好きだな。

    「あるイベントで、すごく胸の大きな子におっぱいにサインしてほしいと頼まれたことがある。本気かいと尋ねたら、”もちろん”と言ってその子はみながいる前でブラウスを脱いだ。ブラは着けていなかった。それで、左の胸に油性ペンでサインをした。でも、一歩下がって出来映えを確認したら、何か忘れているような気がして、”ゴー・ビッグ!”と付け加えた。バランスが取れるよう、右の胸に」

     ナイス・バランス感覚!(と動じないマインドコントロール?笑)

  • 命綱をつけず、垂直の岩壁を独りで登ることをフリーソロクライミングといいます。落ちたら最後という、極限の時間を生きる登山家アレックス・オノルドの話です。クライミングの常識を覆し、フリーソロの記録を次々と出し続ける彼の半生を振り返りつつ、その哲学を語っています。

  • 究極のクライミング、フリーソロ。確かにレッドポイントできる力があるなら、ロープ無しでも落ちない。クライミングに限らず、人は視覚から得られる情報に支配され過ぎているのでは?!服部文祥「サバイバル登山家」と双璧をなす現代の山岳名著。

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