穂高小屋番 レスキュー日記

著者 :
  • 山と渓谷社
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本棚登録 : 167
感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635510301

感想・レビュー・書評

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  • 高所恐怖症なのに山が好きです。ドキッとしたことも何度かありますが、あの達成感は何物にも変え難いと思います。だけどやっぱり怖い。"岳"よりもずっと怖さのリアリティがありました。そんなに生き急ぐことはなかったのに。残念です。

  • 昨今、山の番組は結構あって、日本百名山とかグレート○○とか、BSでは毎日何かしらやっているので、全部はチェックしないのですが、先ごろなんとなくついていたテレビで山の番組が始まり、見るとはなしにみていると、宮田八郎という人の特番らしく、途中からしっかりと見入ってしまいました。
    山を愛するあまり10代で神戸から出てきて穂高岳山荘の小屋番をされています。
    小屋明けや小屋仕舞やその日常(いえ私たちにしたら大変な非日常)の中で生き生きと動き回る宮田さんにくぎ付けです。
    丸いひげ面のお顔にくりくりとしたまん丸い目、人懐こい笑顔、ほっとする関西弁、誰もがそんな宮田さんを慕って小屋に通うのは納得です。
    とはいえ、穂高岳山荘という小屋は、北には槍ヶ岳反対側は西穂高岳がある穂高連峰のちょうど真ん中あたり、涸沢岳と奥穂高岳の真ん中あたりのコルにあり、誰もがおいそれと行けるところではありません。
    どこから行っても難所につぐ難所の連続で、一歩間違えば命がないというようなところだと思います(私も行ったことはありません)
    当然、毎年遭難事故が発生します。
    本書はそういう遭難事故のレスキューの話です。
    遭難事故の一報が入れば、どんな悪天候でも、何をおいてもとにかく駆けつける、「自分の命はかけられへんけど助けられる命は助ける」その精神で、山岳救助隊、エアレスキュー・防災ヘリと一丸となり力の限りを尽くす姿勢には頭が下がります。
    遭難者の中には、師と仰ぐ人、友人、そんな人たちも含まれていて、その心境はいかばかりかと。

    2年ほど前、友人と登山口で車中泊をしているとき、さあ寝よかと横になると、スマホを見ていた友人が、「○○さんが、シーカヤックやってて伊豆で行方不明やて!知ってる?」「えっ、そうなん?知らんけど・・・」となんとも愛想のない返事をしたのを思い出しました。
    これが宮田さんのことだったんだと今確信しています。
    友人は山の知識も技術も豊富なので、穂高にも幾度も足を運んでいるでしょう。宮田さんとも面識があったのかもしれません。そんな彼女につれない返事をしてしまって、ごめん。
    そうです、宮田さんは海の事故で無くなってしまわれました。番組の途中からこの方は今はおられないのかなという気がしていましたが。
    山で自然の脅威をいやというほど知らされていたのに、海という環境は違えど、やはり自然には抗えなかったんですね。
    小屋番を亡くした穂高岳山荘も穂高の山々も、今日も変わらずにその存在は偉大であると思います。
    宮田さんの遺志を忘れずに、心して入山したいものです。

  • 3000メートルを超える穂高岳の山小屋支配人を務めた宮田八郎。彼の仕事は山小屋の運営、客のもてなしに加えて、山での遭難救助。本書は多くの遭難救助に立ち会った宮田氏の活動の記録。

    山での遭難について、よく言われるのが自己責任論。本書の記録の中には登山者の無謀、無知が原因による遭難も多い。が、宮田氏はそんな救助活動についても決して登山者を責めないし、恨まない。関西弁でツッコミを入れて、笑い飛ばす。彼にとって、救助とは自分の役目であり、助けることができるのあれば助けるし、助けてあげたい。それだけで彼は行動する。

    そんな境地に達したのは、山で彼の師や友の死に何度も接したからだろう。どんなに注意しても、経験を積んでも人は山で死ぬ。それを理解したうえで、彼は第一に自身の安全を確保することを心がけてから、救助活動をこなす。

    そして、当然自分の死についても考えていただろう。2018年、彼は海で遭難死する。山で死ななかったことは彼のプライドだったのだろうか。追卓のあとがきは彼の妻が記す。

  • 漫画岳のモデルの人のレスキュー日記。本人はカヤックで海に出た際に行方不明になる。
    山の体験記は実話ゆえに惹かれる。遭難の恐ろしさと救う側の奮闘が読める。みんな、登山はほんと安全にねっ!

  • 日本で3番目に高い山、北アルプスの名峰、奥穂高岳(3190m)への足掛かりとなる穂高岳山荘の支配人だった宮田八郎さんのコラム。この山荘は岐阜県と長野県のほぼ境界にあり標高2996mにある。毎年多くの登山者を迎える山荘であると同時に、多くの遭難者の救出活動の前線になる山荘だ。宮田さん自身、遭難者の救助に全力であたってきた。山を愛する気持ち、山で遭難してほしくない気持ちが、痛いほど伝わってくる。漫画「岳」に宮川三郎の名前で登場する宮田さんが、実はわりと近い存在であったことを知ったのは、残念ながら2018年4月に彼が海で亡くなってからであった。ぜひ生きていてほしかった、そして穂高岳山荘で話をしてみたかった。

  • 無人島に行く船の途中、なんの娯楽もないから適当に船内書庫から引っ張ってきた本。
    書いてあったのは、宮田さんの面白くも過酷な穂高小屋での暮らし。
    読んでいくうちに宮田さんのキャラクターに魅入られて、自分ごとのように楽しみながら読み進めた。
    だからこそ最後のメッセージは衝撃を受けたし、妙に納得もできてしまった。
    この本を通して宮田さんの人生を知ることができて、良かった。ずっと覚えているだろう一冊。

  • 山に魅せられた人たちの本を読んでいて、ふと救助する人たちは何を思っているのかが気になり手に取ったと思う本

    穂高連峰の美しさは知っていても、登るではなく見るのが好きなので各名称は知らず、1章の終盤はネットで名称を調べ、こんなところを人が歩くのかと驚愕しながら読んだ

    今年も大型連休、というか山開きをしてから遭難しているニュースをよく見る

    登山する人が増え、きっと山に対して畏怖を抱く濃度も範囲が増えたから救助を呼ぶ頻度も増えたのかなと思った

    助けてもらっておいて荷物取ってこいって…そういう粗暴な人だから遭難するんじゃないのと思ってしまった私は短気
    救助を呼ぶということはその人の命を危険に晒すということ
    たとえ救助隊員側に命をかける意識がなくても、山は誰にでも牙を向く
    登山する前に一読し、再度装備やルートを検討するのがいいのではないかと思った

    山は美しい、その分恐ろしい

  • いい人ほど早く亡くなってしまう。。。

  • 山は、怖い。でも素敵。そんな所でレスキューにたずさわる人たち。人の為に尽くす。感謝しかない。そんな人が海で亡くなるなんて皮肉である。

  • これは本当に、この世かな?と思うくらいきれいな景色を見せてくれる山だけど、気を付けていようと、慣れていようと関係なくふとした弾みで命を持って行ってしまう。自然の険しさと、そこに生きる人と、またふらりとやってきて帰っていく登山者の感覚と、かなりのドラマがありました。しかし、どんな猛者であっても、自然の前には関係ないのだな、と山の恐ろしさをひしひしと感じる本でもありました。気を付けよう。

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