「響き」に革命を起こすロシアピアニズム~色彩あふれる演奏を目指して~
- ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス (2019年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784636959376
感想・レビュー・書評
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とても参考になった。倍音を感じ、表情豊かに、そして手や身体は薬に、演奏してみたいと、新たな野望が湧いてきた。
何より、作者の、常にピアノ演奏の真髄を見つめる姿勢に感動した。長年、今までもこれからも、見つめ続け、考え続け、探索し続けているのが、どのページからも伝わってくる。一流のピアニストは、こんな事を考えて毎日過ごしているんだな、音楽と向き合っているんだなと知ることができた。
とはいえ、大きな衝撃を受け、私のピアノは、しばらくかなり迷走しそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フジコ・ヘミング「音をひとつひとつ塗っていく」
音楽はただ弾いていただけでは聴こえてこない「なにか」を聴衆に聞こえるように演奏する芸術。
理想は「人の声のように」演奏すること。
音の色が感じられるようになると、その響きの中であらたな解釈がうまれる。
耳を開いた状態で1音を弱音でひく。理想的なタッチであればその音にふくまれる倍音がきこえ、音の方向性、音の消える最後の瞬間まで余韻が聞こえるはず。
演奏時は日常の耳の使い方から「演奏の耳の使い方」にかえる。
指を動かす筋肉より指を「支えている」筋肉をつける。
アグネス・バルツァ(歌)
音色を聞くときは
下部雑音がないか 散らばっていなか。 割れていないか。核があるか。 空中に広がるか。などを重視する。
響きがイマジネーションを豊かにする。
音を顔の肌で感じるようにする。
指を持ち上げる筋肉を使わない。
手首の裏側の腱をを強くし、それで指を支える。
手首から鍵盤を押し込むのでなく、軽く鍵盤に指を置く意識で置く。その際支えるべき筋肉で支えないと、倍音は豊かに響かない。
クレシェンドの時は指を開いていく。
ディミヌエンドのときは指を中心に集めて、5本の指で塩をつまむように。
音楽的なリズム、テンポは和声感に基づいてうまれる。
音価の長い音符を強めに、短い音符を弱めにするだけでも全ての声部を把握できる。
音の粒をそろえず、音の塊を線で弾く。
ドミトリー・ホロストフスキーの「スペードの女王」の「あなたを愛しています」。
ジェシー・ノーマン「リーダークライス」
ホロヴィッツは鍵盤の底を狙わず、鍵盤のふかさ2、3ミリを狙って弾くことが多い。
「これがなくては生きられない」を探す。
本番は刻々と変化するもの。 -
響きを追求するまでの技法を、身体・精神の両面から紐解き、芸術の可能性につながってゆくことを学べる本でした。
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天才ピアニスト、ホロヴィッツやアルゲリッチやリヒテルやギレリスやが演奏している映像を見るにつけ、いとも簡単に超絶技巧を披露したり、この世のものでないような音色を奏でたりしながらも、すごくリラックスして、淡々としていることが不思議でならなかった。
その謎が、本書を読むことで氷解した。
多くの日本人のピアニストの演奏を映像で見ていると、なんだか大変そうで、胸が苦しくなってくることしばしばだった。そう、そのピアニストたちこそが、間違っていたのだ! -
ロシアピアニズム: 音色すなわち倍音を大事にする奏法。例えばタッチによって例えばピッチを低く音を出すこともできる。
難しい曲を弾くことにフォーカスされがちだが、本来であれば簡単な曲で以下に納得いく1音を出すかということを学ぶこと -
ピアノの響き、タッチ、私もロシアピアニズムを自分のタッチで感じてみたい!
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内容がまとまっていない印象