現代国際関係学: 歴史・思想・理論 (有斐閣Sシリーズ 60)

著者 :
  • 有斐閣
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641059948

作品紹介・あらすじ

これまでの国際関係学の膨大な蓄積と今日の到達点を歴史・思想・理論の面から明快かつ一貫した視点と論理で丁寧に説いた待望のテキスト。気鋭の著者がポスト冷戦から21世紀世界にまで本格的に踏み込み渾身の力をこめて体系化に挑んだ注目の意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、国際関係の歴史から始まり、理論、思想・哲学、経済……と、多岐に渡る事項が記述されている(もっとも、現代の国際関係というようりも、タイトルにある『現代』に至るまでの経緯の方に、頁の多くが割かれていた気がする)。
    また、文章自体は決して平易であるとは感じられなかったが、「あ、この名前聞いたことある」とか「知ってる概念だ」とか、『復習』で一々このレベルだった自分に責任があるのだということにしておこうと思う。

  • 国際関係学を、思想(思想史)・理論の観点から、初心者向けに説いたもの。
    何冊か国際関係学の教科書をあたってみたが、近代史や紛争の個別事象に焦点をあてた、世界史の延長線上としてのものが多い。それに対し、この本はそれらをすべてそぎ落とし、あえて理論に特化している点で、非常にありがたい。また、文章も整理されており、たいへん分かりやすい。誰にでも薦められる一冊。
    とりあえずは、一読しておおまかな内容を頭に入れたので、夏休みに踏み込んだ勉強をする予定。

  • 冷戦後世界に見るネオリベラリズム制度主議論の第三の展開はグローバルガバナンス論の登場。、それはアナーキー下での主権国家を主要アクターとする国際秩序を一歩踏み出し、むすろ主権国家と国境を越えたガバナンスの秩序が地球大に広がっているととらえる。ガバメントの秩序が地球大に広がっているととらえる。ガバメント(政府)が存在しないのにうガバナンス(共治)が存在する。そのガバナンスの下で、秩序が作られ維持される。
    地政学から地球環境学へ変化してきている。地球政治経済学への要請である。

  • 副題の「歴史・思想・理論」がこの本を表している。
    つまり本書においては、国際関係論はその時代に合わせて変化しているのだが、歴史に触れてそれと対応する思想および理論について記述をすることでその理屈がどうして生まれたのかについて理解がしやすくなっている。
    その上、単なる理論に留まらず「思想」と表現されているところに、本書が、思想の変遷を踏まえつつ、ポストモダンなどの風変わりなところにまで手が届いていることが示されている。のだと思う。

  • 京都大学で国際政治を長らく担当していた進藤栄一氏の国際政治紹介本。非常によくできている構成。東京大学の国際政治は、ネオネオ論争に影響を受けてしまっていたり、行動学派の影響を多分に影響を受けた研究がされている半面、思想史が弱い。その点、進藤栄一氏のこの本では、国政政治の思想史について論者を含め丁寧に紹介されていてわかりやすい。
    リアリズムとリベラリズム→ネオリアリズムとネオリベラリズム→コンストラクティビストとたどっていく。
    とくに、リアリズムとリベラリズムとの対立から、ネオネオ論争に突入していく際に国家という単位を前提としたという解説は目から鱗だった。ネオネオ論争期に国際政治を学んでしまった学部生の多くは、国家という単位に何の疑問もなく思考してしまっているかもと思うと、残念でならない。

  • 通勤電車の中でさらっと読了。
    あくまで概説書。私のような素人にはちょうどいい本かと。
    あんまり分かりやすくはないような・・

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著者プロフィール

進藤 榮一(シンドウ エイイチ):1939年生まれ。京都大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。筑波大学名誉教授、アジア連合大学院機構理事長。専門はアメリカ外交、国際政治経済学。『現代アメリカ外交序説』で吉田茂賞受賞。著書『敗戦の逆説』『東アジア共同体をどうつくるか』(以上、ちくま新書)、『アジア力の世紀』(岩波新書)、『アメリカ帝国の終焉』(講談社現代新書)など。

「2022年 『日本の戦略力 同盟の流儀とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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