アルコール依存症に関する12章―自立へステップ・バイ・ステップ (有斐閣新書)

制作 : 斎藤 学 
  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641090712

作品紹介・あらすじ

アルコール依存症は、回復はあっても治癒のない病気である。死亡率もきわめて高い。本人の社会生活はもちろん家族への影響も深刻だ。この病気に打ち克つには文字どおりサバイバル作戦が必要である。病気の理解、適切な薬の服用、自助グループへの参加-回復に至る戦略・戦術が不可欠なのである。回復への全ポイントを収めたこの本は、患者の家族の方々、ケアにあたる人々必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • アルコール依存症ということを考える
    きっかけを作ってくれた。

    エチルアルコールは、胃で、約25%が吸収される。
    残りの75%は、腸の上部で、吸収される。
    そのため、胃の中に食べ物があると、
    アルコール吸収率は低下する。

    アルコール中毒 飲酒の結果としておこる
    好ましからざる影響。
    飲酒を長期間大量に続けることによって
    肝障害や高血圧などを引き起こすことを
    慢性アルコール中毒という。

    アルコール依存とは、酒を飲むクセのことをいう。
    飲酒習慣は、必ずしも病気とは限らない。
    病的なアルコール依存をアルコール依存症という。

    寝汗をかいたり、手がふるえたり、動悸がしたり、
    眠れなくなったりして、いろいろな不都合が生じる。

    「アルコール離脱(退薬)症候群」といい、
    「身体依存」が形成されたという。
    身体依存が形成されると、初めてアルコール依存症の診断がつけられる。
    治療の3本柱
    (1)抗酒剤の使用;シアマナイド液、ノックビン
    (2)通院
    (3)自助団体への参加

    「回復はあっても、治療はない。」

    身体が覚えていて、何年間酒をやめていても、
    一滴でも身体に酒が入るとふたたび連続飲酒発作が生じる。

    自分と他人との境があいまいになって、
    見知らぬ人にもすぐに意気投合したりする。
    これらの「自己拡大」「万能感」「自己中心性」といわれる。
    「酔い」は、心理的には子供返りをした状態といえる。

    自分を裏切り傷つける外界の現実や、自分自身の現実を、
    意識から除外して見ないようにする。
    このような心の動きを「否認」といい、
    アルコール依存症の心理を理解するときにとても大事な鍵となる。

    「人にもたれかかったりする傾向」は、母子関係が基本になっている。
    母子関係の中で体験していくはずの「依存と自立」の課題を
    うまく卒業できないで、未解決なまま大人になってしまう。

    自立=依存葛藤というのは、
    程度の差はあってもすべての人間が持っている。
    「見捨てられ感情」
    たとえば、初めて保育園につれていかれた子供は、
    門の前で母親が背中を向けて去っていく姿を見て、
    パニックになり、泣き叫ぶ。その時の子供の心の中は、

    「お母さんはもうぼくを迎えにきてくれないのではないか」
    という不安とおそれでいっぱいになる。

    基本的な心の傷のため。でも、その傷がむき出しのままでは、
    大人としての生活はおくれない。
    その傷口がむき出しになると、
    「見捨てられ感情」がわき上がって、
    パニックになる。

    こうした見捨てられ体験には、さまざまなことがある。
    実際の家族との別離や死別ということもあり、
    自分がこの人についていけばよいと信じていた人、
    たとえば会社の上司が転勤になってしまったとか、
    さまざまな状況の変化がある。
    また、職を失ったりすることによっても、
    自分が力をなくして世の中から
    見捨てられていくような不安をもつこともある。

    このような精神的なパニックは、
    自己破壊な飲酒へとつながる。
    素面で感情をコントロールできないときに、
    酔うことで否認しよう。
    つまりごまかそうという感覚が強まり、
    「酔いたい」「のみたい」という飲酒渇望が高まる。

    これから回復するには、「あるがまま」の自分を認め、
    許すという「自己肯定の感じ」が生まれてくる必要がある。
    これが出現してくると、自分の生活に自信が生まれ、
    自信は余裕と落ち着きを生み、
    周囲の現実を受け入れられるようになってくる。

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