非営利組織論 (有斐閣アルマ)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641123892

作品紹介・あらすじ

非営利組織(NPO)について、組織論の知見に基づいて解説する決定版スタンダード・テキスト。経営管理に関するミクロ的な内容と、戦略やパートナーシップなどマクロの議論を盛り込み、その特徴と役割をより深く理解できる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 1890円購入2011-03-31

  • ゼミ用

  • 『組織論』を読んだので、今度は『非営利組織論』を購入して、読んだ。第一章はNPOの定義と法制面が書いてある。1998年3月の特定非営利活動促進法は一つの画期であった。基本的にNPOは非営利の私有の組織である。その場かぎりの会合などは除外されるが、非常に広い内実がある。活動を主とするフロントライン組織、後方支援のインフラストラクチャー組織(中間支援組織)などがあり、パブリック・サポート・テストをうければ、寄付金控除やみなし寄付金が認められる。以下、「非営利組織を立ち上げる」では、社会企業家が立ち上げてから、起動にのせるまでが書かれている。ビュロクラシーの採用、代継承の確保などが指摘される。つぎは「ガバナンス」である。ボード(理事会)の必要性とか、ミッションやビジョンの確立が指摘されている。つぎは、マネジメントや会計などについてかかれ、非営利組織の活動には臨機応変(アドホクラシー)が必要であり、ミッション(イデオロギー)の教育が重要だと指摘されている。また、SWOTやPPMが非営利組織の分析にも使用できることが書かれている。とくに「ネットワークの形成戦略」や、「まちづくり」組織の解体と再建という「超マネジメント」の部分は面白い。また、行政や営利組織がのりあう、「プラットフォーム」としてのNPOという観点も興味深い。組織を維持するためのファンド・レイジング(投資)とか、評価方法などにもふれている。最後の章では、非営利とはいえ、サービスを実際に提供すると、責任がともない、ストレスやバーンアウトとも無縁ではないことが指摘されている。概して、善意を生かすための現実的な観点が多く指摘されており、非営利組織の特徴をしっかりつかめる。商品としてのサービス(作り置きできない)や、サービスの評価の問題などは営利組織であっても悩ましい問題であろう。

  • 公私協働について不可避な非営利組織についての
    スタンダードな理解をえるために購入しました。

    非営利組織の運営論や意思決定論が主な内容です。
    その意味では実務家向きの解説書です。

  • Cause Projectやlitなど複数の非営利組織に関わってる身としていろいろ思い当たる節があるなぁと思いながら読んだ。

    でも一番印象に残っているのはp115、AARPというアメリカの巨大非営利組織について。50歳以上のQOLをあげる、というミッションで、4000万人(!!!!)の会員を擁し、活発なロビー活動を展開しているという。『雇用における年齢差別禁止法』の実現などはAARPの圧力が大きかったという。日本でもこうなったら怖いなぁ。というか、もう実質そんな感じなのかなぁ。

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著者プロフィール

愛知学院大学教授、京都大学名誉教授

「2015年 『公共マネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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