複雑さに挑む社会心理学 改訂版--適応エージェントとしての人間 (有斐閣アルマ)

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641124189

作品紹介・あらすじ

「適応」と「マイクロ‐マクロ関係」という2つのキーワードを軸に、統合的な視点から「社会的動物」としての人間の姿に迫ります。初版刊行後の新しい研究知見を盛り込んだ改訂版。

感想・レビュー・書評

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  • 「適応」をキーワードに単純なゲーム理論の観点の話などから始まり、マイクロ‐マクロ関係を通じて、社会における人間の行動や認知(個人の価値観などがどのように社会からの影響をうけるのか)の仕組み、文化の成り立ちなどについて解説している。当然未完成ではあるが、豊富な参考文献もあり、将来への展望も開けているような印象を受ける。楽しい一冊。

  • 最近、集団が1つの意志をもった存在のようにある一定の方向に向かう事がよくあるように感じていました。
    そこで「集団」の意志ってなんだろう?と思って読んだのがこの本です。


    内容は、自分や自分の身の回りの人々が起こす行動が研究として分析されており、つい「確かに」と思ってしまいました。
    ゲーム理論なども心理学的な観点から考察されているのがおもしろかったです。
    特に、グループになると各メンバーの最大能力を発揮できなくなる(ちょっと語弊がありますが)問題や、カテゴライズの問題や集団極性化の問題は考えさせられるものがあります。

    社会心理学の中身についても興味深かったのですが、なによりも終章の「メタ理論」や「統合的な社会心理学」という考え方に共感しました。
    これはつまり、トピックスがただ並んでいるのみで物語がない状態から、何かの視点を持ち込むことで物語として各トピックスを関連付けるということです。
    キュレーションという言葉が一時話題になりましたが、それに近いものがあるのかなと思います。

  • 人間の社会性について考える「社会心理学」のさまざまな知見を、
    「適応」の観点と「集団ー個人関係」の観点からまとめた本。
    参考文献や、興味を持ったら読んでほしい本リストなどがあり初学者にも親切で、興味分野のさらに深くに進みやすい印象を受けた。

    著者が挑戦する大きなテーマである「分野間の有機的な連合に乏しい部分がある」という社会心理学の課題は読者にものしかかる。分量のわりに、咀嚼し読み切るのには時間がかかった。

  • 高橋美穂『増補改訂 試験にでる心理学 社会心理学編』北大路書房(2009)「試験のための社会心理学ブックガイド」必読 「基本書をひと通り学習し終えた人にお勧め」

  • 【出版社から】
    集団に組み込まれた個人を基礎に,「適応」と「マイクロ─マクロ関係」をキーワードとして,統合的な視点から「人間の社会性」を追究した,新しい社会心理学のテキスト。行動・実験経済学や社会神経科学等,10年間の研究知見を加えて,内容を刷新。
    http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641124189

    【簡易目次】
     序章 「人間の社会性」をどう捉えるか?
    第1部 集団生活と適応
     第1章 社会的影響過程
     第2章 社会的交換
     第3章 グループとしての協調行為
     第4章 社会環境と適応行動
    第2部 適応を支える認知
     第5章 社会的認知のメカニズム
     第6章 集団間認知とステレオタイプ
     終章 統合的な社会心理学に向けて

    【詳細目次】
    https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20110113/1294846200

  • 社会心理学の入門書として最適。適応理論とマクロ-マイクロのフレームワークで、社会心理学全体の体系的な解説を試みる。分かりやすく、基礎的な内容が網羅されている。

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