はじめて学ぶ考古学 (有斐閣アルマ)

  • 有斐閣 (2011年4月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784641124349

作品紹介・あらすじ

今生きている「現代」とのつながりを意識して学べる,新しい時代の考古学入門。

第Ⅰ部では,考古学の学び方・考え方から,現代にまでわたって存在する考古学の諸問題まで,世界の考古学を視野に入れた考古学の基礎を。第Ⅱ部では日本列島の人類史を解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 考古学の考え方・方法論を概説した第Ⅰ部と、考古学研究から再構築された日本列島の人類史を概説した第Ⅱ部からなる良質の考古学の入門書。
    特に、考古学の考え方、方法論についてわかりやすく解説されているのが重宝。考古学を、浜田耕作を引用して「過去の人類が残した物質資料に基づいて人類の過去を研究する学問」と定義したうえで、考古学の方法論を「モノをよむ(=技術論、機能論)」、「時間をよむ(=編年論)」、「空間をよむ(=分布論)」に分けて解説している。さらに、それらの結果を総合して、どのように過去の社会を再構築するのかを実例を示しながら紹介している。その中で取り上げられていた縄文時代の抜歯と出自の分析の紹介が興味深かった。
    考古学研究に基づく日本列島史の再構築についても、概説なので取り上げられていない論点も少なくないが、中世以降や列島北東部、南西諸島まで幅広くカバーしており、これまでの日本における考古学研究の成果がよくわかる内容となっている。

  • 考古学がどのような学問か?ということがまとめられた本です。
    大学の講義で教えてもらえるような基本的なことが書かれいるので、考古学に興味があってはじめて学ぶ!というような人にはいいと思います。
    しかし、「歴史もあんまり分かんないし、土師器や須恵器って何?」って人には厳しいと思います。(そんな人は本書を読まないとは思いますが・・・)

    考古学がどういった学問か、方法論、日本列島における北と南の考古学など、
    日本考古学を学ぶ人ならおさえておきたい内容が一通りまとめられているので、新人考古学徒にとって読んでおいたほうがいいでしょう。

  • 個人的には、一般向けの考古学の入門書がないと思っていたが、過不足なくうまくまとめた良書だと思う。内容は、1部に考古学の基本的な考え・手法のまとめ、2部はそれらを用いた日本についての考古学研究についての紹介の体裁をとっている。

    1部は、考古学を、文字資料である「史料」とわけて定義し、遺物、遺構、遺跡などの物的資料の研究としている。そのための機能論(2章)、編年論(3章)、分布論(4章)にわけて、社会とも絡めて説明している。

    2部では、旧石器、縄文、弥生・古墳、文献史料もある古代から中世前半、中世後半~近現代、列島北東部、列島南西部にわけて説明している。

    考古学を、学問的にやってみたい人ならば、考古学によくある発見物語などに比べて、学問的によりだが、分類も含めて必読の書だと思う。

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著者プロフィール

明治大学教授

「2023年 『はじめて学ぶ考古学〔改訂版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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