- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641150409
作品紹介・あらすじ
「人間理解」に役立つ心理学の理論から、援助者自身のセルフマネジメントまで、対人援助のあらゆる「現場で役立つ」知見に焦点化。日常場面や臨床場面をイメージさせるEPISODE・CASE、具体的に手を動かし考えるWORK等、学びを促すツールが豊富。誤解や思いこみも解きほぐす、コンパクトな心理学入門書。
感想・レビュー・書評
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「人間理解」に役立つ心理学の理論から、援助者自身のセルフマネジメントまで、対人援助のあらゆる「現場で役立つ」知見に焦点化。誤解や思いこみも解きほぐす、コンパクトな心理学入門書。(e-honより)
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福祉系大学の心理学の授業でこの本の内容をガッツリやってたりなんかしたらうらやましいなと思うような内容だった(私は福祉系大学卒ではないものの福祉職に就いたので)。
気になって付箋をつけたところは2箇所。ひとつは4章心の動きとしての感情の3節感情のマネジメントのところで、感情制御には認知処理のための資源が必要で、これは制御を続けると減り、枯渇すると回復するのに時間がかかる(p.47)ところだった。工夫して感情制御を行おうと思った。
もうひとつは15章援助する心。これは章全体を2回読み返した。対人援助とは、援助者の自己満足や自己実現のために行うものではありません(p.187)というところは心がけて、冷静で客観的な支援ができるような支援者になろうと思った。
心理学という学問の基礎的な部分を身近な例やワークを使って読ませる構成で、挫折せずに読めたので良い本だった。対人援助者自身の心がけ・セルフケアを求めて読んだので、満足感は高かった。 -
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自分の興味関心を中心に学んできた心理学の全体を俯瞰しようと入門書をいくつか読んでいるなかでの1冊。
個人的には、心理学って、フロイトがいて、ユングやアドラーがいてみたいな流れと人間性心理学とか、ゲシュタルトとかの心理療法あって、科学的なデータを重視する認知行動療法とか、ポジティヴ心理学があるみたいなイメージ。
だが、こうした入門書を読んでいて驚くのは、脳科学とリンクされた認知行動療法的なものがほとんどで、本によってはフロイトという名前さえ出てこないものもある。
こんな状態なので、ナラティヴ・アプローチなんて話は出てくる気配すらない。
が、これはこれで面白いし、なるほどと学ぶところも多い。また、社会構成主義やならナラティヴ・アプローチが批判している「科学的」な心理アプローチの課題というか限界もより実感をもって見えてくる。
さて、この本は、「対人援助」という目的があるので、より実践に近いところで書いてある。「科学的」なアプローチを中心としつつも、ところどころでフロイトやユングの話しも登場。
まあ、なにが正しいかは別として、やはり現実の人間を前にしたところで、どうアプローチするかという現場感をあって、役にたつところも多かった。
でも、やっぱ「科学」というディスコースは強力だな〜とあらためて感じ入った。 -