はじめての行政学 新版 (有斐閣ストゥディア)

  • 有斐閣 (2022年9月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784641150997

作品紹介・あらすじ

私たちの生活と密接にかかわっている行政。その行政の現実と行政学の理論を,基礎的な知識に絞って,丁寧に解説した定番テキストの新版。初版刊行後の行政の実態の変化を反映し,行政学研究の進展も踏まえて,全面的に改訂している。公務員試験対策にも最適。

感想・レビュー・書評

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  • p.230 政策実現の手段と実施主体

    公共政策(法律・条例・予算の公示)⇒実施
    ⇒制作手段と実施主体を組み合わせる。

    ①直接供給
    ・政府自身でサービスを行う
    例:国や自治体の公務員、民間委託(金銭資源を負担)
    第一線職員は、裁量権が大きい(リプスキー)
    ・経済的誘引(補助金、税制優遇措置、有料化、課税)

    ②直接規制
    ・法的権限を元に政府がある行動を禁止したり義務付けたりすること
    例:国家資格、認可制度
    環境規制、通行規制→罰則
    ・啓発
    広く様々な情報提供によって対象者の善悪の規範に影響を与えようとする
    新聞などへの金銭資源の投資
    食品などで原産地や原材料の表示を義務付ける
    政府と個人が直接繋がることが出来る
    ➕速報性
    ➖組織としての発信か、個人としての発信か、不明瞭、精査されないまま誤った情報が伝えられる問題もある。

    ただし、政策決定者と実施機関との間で利害や認識の乖離があれば、実施が難しい。
    そのために、国と自治体の意思疎通、ルールや計画を設けるのであれば、整合性や実効性を確かにする。具体的には、担当者会議(市町村→都道府県→国に向けた現場の状況や要望を伝える。国の担当官が分野ごとの執務マニュアルや法律解説を執筆する。人事交流(出向)

    〈行政の失敗と責任〉
    作為責任「するべきでないのにした」
    不作為過誤「するべきだったのにしなかった」
    これらは、トレードオフの関係(過誤回避のディレンマ)

    外からの目、行政統制と参加の経路を活かす
    例: 裁判所の司法統制、評価機関(会計検査)、社会運動としての意義の申し立て、重要な決定に国民や住民が参加する
    産官学コミュニティで強固な政策コミュニティを形成していると、既存の政策に対する評価や問題を提示することが難しくなる。

    リスク社会(何かをしても、しなくても過誤の可能性が払拭できず、事後的に非難される可能性が逃れられない)
    ⇒伝統的行政学(1940)FF論争
    フリードリヒ 専門的知見を有する行政が自発的、能動的に職務を果たす応答責任(レスポンシビリティ)
    ファイナー 議会を初めとする政治の範囲で活動する説明責任(アカウンタビリティ)を重視

    リスク社会では、フリードリヒの行政の専門性は揺らいでいる。ファイナーの考える政治家の主導性もいざ問題が起これば、たとえ行政に責任がなくとも、行政に避難を押し付けることが十分にありうる。だから行政の過誤をどこまで受容するかは、行政の行動範囲、政府のパフォーマンスを規定するきわめて重要な要素となる。寛容さと見極め、適切に批判していくことが私たちの課題。

  • 東2法経図・6F開架:317.1A/I89h//K

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著者プロフィール

東京都立大学教授

「2022年 『はじめての行政学〔新版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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