松下電器の経営改革

  • 有斐閣 (2007年12月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (362ページ) / ISBN・EAN: 9784641163102

感想・レビュー・書評

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  • しらないことばかり、、勉強になりました

  • 読み途中でギブアップ。パナソニックが松下電器時代だから仕方ないとはいえ、古い。人事の重要性は理解した。上司に勧められたけど、他の読もう。

  • 現在ではすでに中村改革自体が「聖域」と呼ばれてしまっていて、歴史がその成果を評価し始めているが、それでもやはり学ぶべきポイントが多くある。

    ■中村改革の意義
    経営理念以外に聖域はなし
    むしろ、経営理念の再興を目指したのではないか

    ■雇用構造改革
    1.リストラ成功させるポイント
    とどのつまりキャッシュリッチだからできた
    ①一度で最大限実効性を高める
    ②去る人間への最大限の配慮による納得性
    最大50ヶ月のオン
    ③明確なビジョンどおりに必ず業績を回復させる
    2.成果
    ①収益力の向上
    ②若返りと権限委譲の進展
    ③経営改革全体の推進

    ■事業構造改革
    1.デジタルネットワーク化によって、ある技術と別のある技術がつながりやすくなり、全く新種の製品が登場する可能性が飛躍的に高まった
    商品ライフサイクルは以前にも増して短期化した
    →想定外の競争相手が短期のうちに市場を奪う危険が高まったということ。逆もあり
    →競争戦略上、時間軸の使い方の縦横性が飛躍的に高まった
    2.事業ドメインを設定することの重要性
    事業の焦点合わせの基準が、組織のベクトルを合わせて、顧客や競争相手を明確化して、資源の集中的な当市を可能にする

    ■家電営業改革
    ■管理会計改革とバランスシート改革
    ■IT革新
    ■テレビ事業に見る中村改革
    ■利益率に見る中村改革

    ■不変の経営理念
    ・「経営理念以外に聖域なし」の意味するところは、経営理念は変えない、その他は”変える”ということ
    全部変えると言われると不安だけど、経営理念は変えないと言われると言われたほうはホッとする
    ・経営理念は変えてはいけないが、その時々の方針・方策は変えて、一歩先んじていかないと
    ・経営理念=本質×表現×発信源
    ・本質
    共存共栄=ぬるま湯ではなくて、緊張関係下で努力すること
    人間尊重=無条件の終身雇用ではなく、人を育てること、能力に応じて人を活用すること
    ・表現
    磨き直しと置き換え
    ・発信源
    同行二人
    ・変えることこそ理念を堅持すること
    形骸化しかけた理念が息を吹き返すには、機能不全を起こした方策のほうを改革すること必要
    理念の再興

  • 日本史上最もタフなV字回復の一つだったのではないかと思われる松下電器の中村改革を、冷静にロジカルに学術的に解体した良書です。

    特に、雇用構造、事業構造、家電流通3つの改革が勉強になりました。

    おそらく2009年以降、本書を読むことで苦境を乗り切るヒントが得られる経営者は多いのではないだろうか。

    また、改革の成功要因として、
    ・改革リーダーの個人的リーダーシップ
    ・改革案の内容(コンテンツ)がうまく組み合わされていてその内う
    容の各要素の間の相互作用によってある意味で自然にエネルギーが生み出される。
    ・改革のプロセスのステップの踏み方
    という3つが挙げられていた点も非常に再現性が高いだろうと思った。

    何度も読みたい良書です。

  • 松下電器が中村社長時代にV字回復した、その経営改革を
    多角的に分析した本です。雇用構造、事業構造、販売チャネル、
    製品力向上、財務改善、等など、中村社長(当時)が取り組んだ
    聖域なき改革の内容が見事に分析されています。

    中村改革の様々な取り組みの中で、創設者松下幸之助が唱えた
    コアとなる経営理念だけは変えなかったそうです。それが変革の
    ドライバにもなった、と。

    変革には不安・不満がつきもの。
    そんな時に、「よりどころ」があることは、ものすごく大事
    ですね。

  • 2000~2006年に行われた松下の経営改革を分析・評価。
    他社の遅れをとった松下がいかに改革を行ったのかをまとめている。

    小手先ではなく経営全体を一度に改革したというものである。

    全体として印象に残ったのは、やはり経営の神様松下幸之助の存在であろう。それは随所に出てくる。創業者自らが設置した組織、仕組という聖域に対していかに改革を行ったか。だが、それをやり遂げれたのも、やはり創業者がつくった経営理念である。
    この改革は経営理念だけは変えない(逆に言えば、それ以外は変える、聖域はないと断言した)ものだった。だが、これに対して「経営理念を変えない」と聞いてホッとした・・・という社員の存在。個々での重大な決断をする際に当時社長の中村氏は創業者がPHP研究を行った京都の真々庵に向かった・・・というような創業者の偉大さがいまだ強く残る会社であることが節々に出てくる。まさに神様

    今という時代に、この手法を参考にしてもすでに古くなっている、新しいアプローチではない事もあるかもしれない。だが、「なぜこうしたのか」「いかに推進させたのか」「リーダーシップとは」というような点はいつ読んでも参考となるのではないだろうか。何度も読む良書だとおもう。

    *******下記は改革内容のメモ*******

    ■雇用改革
    過剰な雇用のリストラ。特別退職金は相場の遙か上にしたことにより退職者に納得を持ってもらうようにした。これも経営理念からだろう
    ■事業構造改革
    ドメイン会社の設置。重複する事業を統一してグループとして戦略のある、高い投資効果を得るアプローチを可能にした。それによりV商品、LSI技術を強めていった
    ■家電営業改革
    それまで各部署に存在した営業をまとめてマーケティング本部を設置。顧客ターゲット、市場に合わせた製品開発と価格設定を行う事を可能にした
    また小売店の強化として、支援範囲を絞った。共存共栄の理念は努力する者同士にあたえられるものという考えから。
    創業者の言葉で「あなたは血尿がでるまで努力してますか?私はしてます」は鮮烈な印象を受けた
    ■IT
    ・「時間」という資源を大切にするためのIT
    ・圧巻される内容
     -もっとも多い時は200のPJが並行して稼働
     -6年間で総額2012億円を投資(ランニングコスト含まず!)
    ・中村氏のリーダーシップ
     月次を週次に変えることに現場が反発、月2が妥当という声に全くぶれずに強く言い続けた。各部署のキーマンを「専任」させて本気をみせた
    ■経営理念
    ・経営理念=本質×表現×発信源
    ・人を体制にする⇒人を育てる。適材適所
    ・本質は不変でも表現は変えてよい。時代に合わせる
     CSR⇒スーパー正直
     日に新た⇒破壊と創造
     ※日に新たは創業者の言葉で「日に新があってこそ、正しい経営理念が永遠の声明を持つ・・・」とあるほど重要

    ■中村氏のリーダーシップ
    ・まったくぶれなかった
     立場に固執せずうまくいかなかったら辞める覚悟
    ・合理性の追求
    ・重要性を言い続ける
    ・誰よりも経営理念を理解していた
     ⇒責任と正しい判断を持っていたことが強いリーダーシップに繋がった

  • 2000年からの中村邦夫社長就任からの、パナソニック社の経営改革を、雇用(整理解雇)、事業構造、営業組織、管理会計、IT、テレビ事業、財務会計上の変化、経営理念と改革の関係性、それぞれの視点から、横串で分析し、すべてがまとまった改革であったと分析、評価した一冊。

    優良企業だけども、社を支えてきた制度ゆえにすこしずつほころびが現れ、すべての面で問題が表面化し…
    と、中小企業診断士2次試験(事例Ⅰ&Ⅳ)で対応する内容かなとも感じた。

    勉強以外で、ビジネス本を読むのを避けていたけど、問題解決の感覚を持たないといけないと感じた。
    (解決って大層なことまだまだですが。)

    冒頭に「中村社長(現:会長)をヒーローにしない」という条件で、パナソニック社に協力を仰いだそうだけども、中村会長や改革に取り組んだ方々について、どう分析や論述しても、ヒーローになっていたかと感じた。従業員30万近い会社の組織を動かした大功績ですから。

    って、社外の評価は素晴らしいけど、社内の評価はどうなんだろうか。

  • 『第1章 中村改革の意義』
    ・この本は,中村氏が日本最大級の規模と複雑さを持つ松下電器グループをいかに改革していったか,その六年間の改革内容と改革プロセスを詳細に分析しようとする本である.
    ・衰退する企業は「傲慢,自己満足,内部議論,摩擦を恐れる」という四つの特徴を持っている.「そんなことできるわけない」と言って摩擦を恐れる.
    ・松下の多くは門真市にいる.ここだと皆に「松下さん」と言われ,持ち上げられるものだから錯覚してしまう.

    『第2章 雇用改造計画』
    まとめ.
    ①一度で最大限実効性を高める.
    ②去っていく人間に最大限の配慮をし,残るものとの間はなるべく負担を公平化する.
    ③リストラ後の明確なビジョンを打ち出し,必ず業績を回復させる.

    『第3章 事業構造改革』
    中村氏が用意した二つの劇薬.
    ①事業部制の解体の宣言.開発,製造,販売の三つの機能を一つの事業部長が束ねるのではなく,開発・製造と販売を別組織にしてマネジメントに担当させる.
    ②上場子会社の完全子会社化.少数株主対策.これは,2000年の商法改正で株式交換方式による吸収合併が可能になったことが大きく影響している.

    『第4章 家電営業改革』
    ①組織再編.営業,マーケティング部門を各事業部から切り離し,マーケティング本部に集約するというもの.
    結論を先取りすると,マーケティング本部設立のポイントは,二つの大きなパワー構造の転換である.
    ①-1 組織内のパワー構造の転換をもたらした.生産サイドからマーケティング・サイドに大きなパワー・シフトがおこなわれたことである.
    ①-2 組織外のパワーに対抗するための改革.以前とは異なり,家電販売の市場が,街の小規模な系列小売店に代わって大規模量販店に支配されるようになった.その大規模量販店に対処するためには,マーケティング・販売部門に大きなパワーをもたせる必要があった.
    ②系列販売網の改革.目玉は,優良系列小売店への支援策であった.従来のナショナルショップへの支援は,すべての店に対して平等であったのに対し,意欲のある強い店をきちんと支援する方策に転換したのである.

    『第5章 管理会計改革とバランスシート改革』
    松下の会計・財務の改革は,大別して二つの面があった.
    ①管理会計システムに関連する改革.
    ②バランスシートの改革.「1兆円の資産圧縮」

    『第6章 IT革新』
    ビジネスプロセスを変えることに対する強い反発.これに対する中村の方策は,①地道な話し合い,②強いコミットメント,③集中と横展開.②「ウィークリー化は不可能だ」とする営業部門には,「まずウィークリーという前提でスタートし,課題を詰めていこう」と諭し,強い姿勢を示した.③資源を集中させて早期に成功例を作ることで改革の実現可能性と有効性を訴えた.

    『第7章 テレビ事業部に見る中村改革』
    ・製品市場が成長している限りは,問題自体が出現しないか,もしくは問題が生じたとしても大きな影響はなかった.逆に言えば,市場の成熟化が進むにつれて,それまで潜伏していた構造的な問題が表出してきたと言える.当然ながら松下電器はさまざまな方策を投じたが,抜本的な解決にはならなかった.

    『第8章 利益率に見る中村改革』
    おわりに.分析から得られる示唆を三つ.
    ①環境変化の利益率への影響は,経営側の努力だけでは抗しがたいほど大きい.
    ②よい経営改革では,利益率の推移は「長く緩やかな」回復になる.生むタイプの改革もある.
    ③良い経営改革では,省く改革と生む改革がさまざまな箇所で同時進行している.

    『第9章 不変の経営理念』
    『第10章 中村邦夫会長インタビュー』
    『第11章 歴史は飛ばない,しかし加速できる』
    ・中村は,
    リーダーの条件:人格的魅力,ぶれない決断.
    代表者の条件:総合判断の結果責任,社会への倫理観.
    設計者の条件:戦略眼,組織観.
    をすべて備えている.

    ----------以下感想----------
    衰退する企業は「傲慢,自己満足,内部議論,摩擦を恐れる」という四つの特徴を持っている.
    今の職場がまさにそうだ.「ぶれない自分の軸」を持って,存在感を出し,職場や風土を変えていきたい.

  • ラインマーカーが手放せない本。ビジネス書でもサクセスストーリーでもなく研究成果なのでインプリケーションのまとめやインタビュー、細かな数字や図表等が載っていてかなり読み込め、活かし所が感じられます。そしてなにより面白い。高いように見えても安い買い物だったと感動できると思うので騙されたと思って読んでみて!

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著者プロフィール

国際大学学長、一橋大学名誉教授
1969年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。72年カーネギーメロン大学経営大学院博士課程修了・PhD。その後一橋大学商学部で教鞭をとり、85年教授。この間スタンフォード大学客員准教授等を務め、東京理科大学大学院イノベーション研究科教授を経て2017年9月より現職。

「2019年 『激動の平成 日経 平成三部作』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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