再考・医療費適正化

  • 有斐閣 (2016年8月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784641164833

作品紹介・あらすじ

高齢化は医療費増加の主因ではない? 病床数を減らしても医療費は下がらない? 精緻な分析から医療費増加の最大の要因を突き止め,これまでの政策を評価したうえで,医療費抑制策とは一線を画す,医療保障のあるべき姿に基づいた医療費政策を提示する。

感想・レビュー・書評

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  •  医療費の増加要因についてよく分析してある。需要サイドの要因としては、高齢化はそれほど大きな要因ではなく、県民所得が寄与しているとのこと。また、供給サイドの要因としては、医師数と平均在院日数が寄与しているとのこと。平均在院日数の短縮も増加要因になるとは勉強になった。
     診療報酬等で誘導しようとしても、供給サイドによる収益の目標管理行動で簡単には医療費の低減にはつながらないとのことである。
     医療政策について、自立の原理を基盤としながら、救命医療(生命保障の原理)と自立医療(共生の原理)に区分した保障を提唱している。

  • 第一部は医療費適正化の歴史についてまとめられている。第二部と第三部は、結論が第四部の最初にまとめられているため、細かいところが気にならなければ読み飛ばしてもOK。

    ■既存の適正化政策
    ・病床規制
    ・平均在院日数の短縮化
    ・特定健診・指導
    ・薬剤使用の適正化
    ・診療報酬のマイナス改定
    ・保険制度改革による受診抑制

    ■医療費分析から導かれる改善案
    ・医師数の抑制(医学部定員削減、地域枠の活用、保険医の定員制)
    ・機能別病床規制
    ・対象を絞り込んだ平均在院日数の短縮化
    ・医療費適正化計画の強化(特定健診・保健指導、データヘルス・健康経営、後発医薬品の普及促進)

    ■理念に基づく医療費政策(自律を支援する政策を除く)
    ・理念に基づく財源の確保・配分と医療費の伸びの管理
    ・公的医療保障の給付範囲と給付率の見直し(救命医療と自立医療の区別、救命医療の積極的財源確保、自立医療への傾斜的給付率の導入)
    ・リスク構造調整の本格導入(国民全体の公平な負担と財源の安定化、公費の重点投入)
    ・費用対効果評価の二段階適用(自立医療で費用対効果がないものは価格を下げる、保険償還しない)
    ・自己負担無料化の原則禁止

    ■財政危機時の適正化政策
    ・医療費予算制度(総額管理制度)
    ・強力な伸び率管理制度
    ・混合診療の原則解禁
    ・患者自己負担の大幅引き上げ(高額の保険免責制、厳格な参照価格制度)

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著者プロフィール

1958年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授。専門は、意思決定・交渉論と医療政策。東京大学法学部卒業、富士銀行(現在のみずほ銀行)、元厚生省勤務の後、ハーバード大学行政大学院で学び、シカゴ大学経営大学院でPh.D取得。シカゴ大学経営大学院助教授やスタンフォード大学研究員などを経て、2001年より現職。そのほか、株式会社キングジム社外取締役、厚生労働省中央社会保険医療協議会委員など。著書に『すぐれた意思決定』(中公文庫)、『意思決定トレーニング』(ちくま新書)、『人生が輝く選択力』(中公新書ラクレ)、『サバイバル決断術』(NHK出版)などがある。

「2018年 『交渉学が君たちの人生を変える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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