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Amazon.co.jp ・本 (260ページ) / ISBN・EAN: 9784641165298
作品紹介・あらすじ
会社に雇われ,働いてその報酬で生活を営む──こうした働き方が当たり前のことになったのは昔のことではない。ICTの展開で雇用の枠外の働き方が現実になりつつある今,日本の雇用を概説することで,このメカニズムがいかに確立し実現され,変容しつつあるかを示す。
感想・レビュー・書評
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『「新・日本的経営」のその後』の感想にも書いたことであるが、「日本的雇用システム」は、1990年代頃から変容を始めたとする議論が多いが、では、どの程度変容したのか、ということについては、必ずしも意見が一致していないように思う。
ある者は、「大きく変わった」と主張する。非正規労働者が増え、雇用は不安定となり、それらが日本の貧困問題の根っこにあると主張する人たちがいる。1990年代以降の雇用に関する変容は、日本社会を変えてしまったする主張である。
一方で、変容の幅はそんなに大きなものではないという主張もある。正社員の総数は、そんなには大きく変わっていないし、特に大企業では、年功賃金は、少なくともある年齢のところまでは、まだ維持されているという主張である。
本書は、「雇用」を「システム」として捉える立場をとる。
「日本的雇用システム」は、「年功賃金制度」を中心として、「雇用調整制度(マイルド)」「新卒一括採用制度」「定年制度」「非正規雇用に関わる諸制度」「女性雇用に関わる諸制度」、更には雇用制度の外側にある「雇用政策」「労使関係」などが、相互補完関係を保ちながら、「システム」として成立していたという見方をとる。
相互補完性を持つ「システム」であるので、システムを構成する要素、例えば、上記のうち、「非正規雇用に関わる諸制度」が変容する場合には、それと相互補完性をもつ、その他の構成要素に影響を与えないわけにはいかない、という立場をとる。従って、「日本的雇用システム」が変容したかどうかは、システムを構成する要素がどのように変わりつつあるかばかりではなく、相互に関係する要素にどのような影響を与えているのかを含めて考える必要があると主張する。
このような立場から書かれた本書を、筆者は「制度派労働研究の立場からのテキストという形式」をとったものだと説明している。その上で、制度とは「諸主体にとっての不確実性を低減するために作られたものであると考え、そして、期待の共有を前提として、諸主体の行動をコントロール(制御あるいは拡張)する集団的ルール」としている。
「制度派労働研究」の歴史自体は長く、1930年代のジョン・コモンズまで遡ると説明されている。「制度」とか「システム」という考え方は、魅力的で面白いものであるが、私自身はまだまだ勉強不足で理解が追いついているわけではない。
こういった考え方は、この春、大学院に入学してから初めて知った考え方であり、当たり前だけれども、世の中には知らないことが沢山あるというか、逆に、自分の知っていることは少ないのだな、と感じている。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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