組織行動論の考え方・使い方〔第2版〕 良質のエビデンスを手にするために (単行本)

  • 有斐閣 (2023年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (414ページ) / ISBN・EAN: 9784641166257

作品紹介・あらすじ

経営学のレリバンスを問いつつ,組織行動論の主立った理論・測定尺度を紹介する好評上級テキスト。リサーチ・プラクティス・ギャップを学説史的に掘り下げた第2章,実証主義とは何かを概説した第6章,実践家との共同研究の成功要因を探る第15章を増補。

感想・レビュー・書評

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  • 戦略やマクロ組織論を中心に学んでいる身としては、やや馴染みのない領域(Organizational behavior)の書籍であったが、多くの学びに溢れていた。OBの中に於ける先端トピックやそこで使われている手法等の説明はもちろんのこと、研究者として「知っていること」にいかに向き合うかや、そもそもOBの前提にある実証主義(そしてそれと対をなす解釈主義)とは何なのか等、研究者として押さえておかないといけないにも関わらず恐らく多くの人が熟考はしていないであろうテーマについても触れられている。初版あとがきに於いて、著者は出版社の担当者から「今の経営学に必要な一冊ですね」との言葉をもらったとのことだが、まさに、と思う。経営学の各トピックに関する理解が少しずつ実務家にも広がりつつある現時点に於いて、このようなハードコアな書籍が果たす役割(そもそも研究者が何に関心を持ち、何に膨大な時間や知力を費やしているのかを広める等)は大きいと感じる。

    特に印象に残ったのは以下の箇所
    ・本書の中で検討したいのは、しろうと理論(実践知)は組織行動の理論(科学知)に比べて劣っている、という議論では決してない。本書で議論したいのは、現実の経営現象を理解するにあたっては、科学知が示す理論の世界や、科学知に基づく調査によって写像される現実世界といった、複数の世界を持つ必要があるのではないかということであり、それによってこそ、実践家の持つしろうと理論(実践知)は鍛え上げられるのではないか、ということである(p.65)
    ・意味は、調査者が結果の解釈と対話の中で見出していくしかないのだ(p.85)
    ・妥当性が、理論的世界と経験的世界との接続の正確さにかかわるとすれば、信頼性は、データ世界の安定性にかかわるものと言える(p.91)
    ・組織行動研究では、従業員が持つ資本を、人的資本、社会関係資本、心理的資本の3点で捉え、個人の保有するそれぞれ異なった部分を「資本」と見なしている(p.182)
    ・「知っている」ということについて謙虚になる。これが本書を貫く1つのメッセージである(p.263)
    ・少なくとも17世紀以降の科学は、ポパーのいうような厳密な反証の過程に従ってきていない。たとえばKuhn(1970)によれば、科学者たちは、それぞれの分野においてそれぞれの時代に広く受け入れられていた問題の捉え方や考え方の型、彼のいう「パラダイム」のもとで、個別的な特殊問題を解くことに専念してきたのが実体であった(p.267)

  • ふむ

  • 東2法経図・6F開架:336.3A/H44s//K

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著者プロフィール

神戸大学教授

「2023年 『組織行動論の考え方・使い方〔第2版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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