- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641173842
作品紹介・あらすじ
人が安全に安心して暮らすために必要な居住環境のありようを追究する居住福祉学の入門テキスト。住居や福祉施設、まちづくりや地域福祉などの居住福祉の基礎について、生活者の視点に立って解説する。居住空間、コミュニティ、公共政策という3つの視点から整理する。
感想・レビュー・書評
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今の国の政府の状況は、社会保障、地方交付税の増大によって、財政がにっちもさっちも行かない上に、さらに、東日本大震災の復興事業をしなければならない。
その中で、今の住宅政策をどう批判し、どこに力をそそぐべきかという提案であれば、心も動くと思う。
しかし、たぶん、京都大学の西山研究室の流れの方々だが、大きな政府、住宅と福祉分野にもっとお金を使って対策をとれといわれても、前提が違いすぎる。
(1)ナショナルミニマムとしての典型例である公営住宅について、地方公共団体が管理の大変さから、被災地を除いて作ろうとしない、阪神淡路の被災地でもその管理に苦労している現状を、どう評価し、どのように新しい政策をうつべきなのか。
(2)サービス付き高齢住宅など、住宅事業者に対する支援は充実してきているが、ナショナルミニマムに資源を集中すべきとの政策の観点から、ポイントがずれていないか。
(3)経済学者の本流からは、住宅は私的財といわれ、税金を投入する理屈が乏しいといわれている、逆にいうと、そういう市場原理を重視する経済学者は、政府の中枢部に説得力をもっているのに対して、この本のような、あれもこれも居住政策として税金をつかってやれという思想は、役人や政治家を説得できるのか。
この手の本は、結局、政策に影響を与えてなんぼだと思う。もう少し、海外の事例、過去の歴史を踏まえて、具体的かつ漸進的な提案がほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示