- 本 ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784641174993
作品紹介・あらすじ
フェミニズムは何と格闘し,何を獲得してきたのか。資本主義が変容した社会で今起きている新たな課題とは。労働と再生産,家父長制,ケア,国家と女性の権利などの論点を現代的視点で再考し,次の理論形成へ向けて,第一線の研究者が集結。渾身のメッセージ。
感想・レビュー・書評
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出版社(有斐閣)
https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641174993
概要、目次、立ち読み
版元ドットコム
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784641174993
【「まえがき」より】
江原の新刊を読んだとたん,ここには重要な問いが書かれていると感じた上野が,共編者を引き受けた。日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニア世代として共にこの分野を牽引し,尊敬する論争の相手でもあり,またこれまでも『日本のフェミニズム』(岩波書店)や『岩波女性学事典』(岩波書店)などの共編に関わってきたこの畏友と,再びタッグを組んで書物を世に送ることができてうれしい。(上野千鶴子)
『挑戦するフェミニズム』オンラインシンポジウム(WAN)
https://wan.or.jp/article/show/11744 -
2025年3月に本著の編者である上野千鶴子氏の講演を聴き、本書を手に取った。光栄なことに著者にサインをして頂いたが、読み始めてすぐに難解な専門用語に悪戦苦闘しながらの読書となった。
本書は、編者である一人の江原由美子氏の問題提起の論考1本を受け、9本の論考からフェミニズムについてクリティカルシンキングする書籍である。フェミニズムの歴史的背景、生活や経済の視点、女性の価値変容など複眼で検証する。また、論文間相互の連携がよく取れており、各執筆者が相互に連携した書籍でもある。グローバル資本主義の理論的考察とフェミニズム理論、ラディカルフェミニズムからマルクス主義フェミニズムを経てケア論に至る流れの考察、中心的軍事力を国民軍から民間軍事会社に移しつつある21世紀における「女性と軍隊」の問題など、非常に幅広く論考する。福祉国家におけるネオリベラリズム的編成がもたらす問題など、世界の情勢の変化、特に現在進行している米国トランプの独裁的とも言える言動や行動の背後にあるキリスト教福音派については警鐘を鳴らすべき事例だと思われる。非常に重厚な書籍であり、研究者が読むべき書籍なのだろうが、浅才非学な自信の不甲斐なさが露呈したけれど、くじけずに自省を含めて学び続けよう。 -
日本における第二波フェミニズムを推進してくたラディカルフェミニズムの江原由美子、マルクス主義的フェミニズムの上野千鶴子の両者が編集された何とも贅沢な現在の日本におけるフェミニズム論考の最新版である。難解で理解しにくい章もあったが、全般的にはネオリベラリズムに対抗するためにフェミニズムがどのように考えるか、またフェミニズム自体が、その対抗軸の重要な位置を占めるものと考える。ある論者が書かれていたが、端的にいうと、ケアの倫理に基づいた社会を作っていくことが焦点になるだろう。
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/719156
著者プロフィール
上野千鶴子の作品





