社会学をつかむ (テキストブックス[つかむ])

  • 有斐閣 (2008年7月5日発売)
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本 ・本 (326ページ) / ISBN・EAN: 9784641177055

作品紹介・あらすじ

今自分がいる「社会」を見つめ,地続きの他者や世界を想像するために,必要な力とは何か。日常の身近な事柄から出発する8ページほどの短い「ユニット」を単位として,現代社会のさまざまな側面に切り込み,武器としての社会学の力を伝える新しい教科書。

感想・レビュー・書評

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  • 社会学であつかわれることの多い34のテーマがとりあげられ、それぞれについて著者たちの見解をまじえながら論じている本です。

    テキストブック「つかむ」シリーズは、それぞれの学問分野の基礎知識をコンパクトにまとめた良書が多いのですが、本書は教科書的な叙述からは大きく離れたスタイルの入門書です。著者たちは、われわれが日常生活のなかで常識だと思っている事柄を社会学という視点から見なおしてみることでどのような光景が立ち現われてくるのかということが、ヴィヴィッドに提示しています。

    社会学という学問のおもしろさに触れるには良い本だと思いますが、テキストブック「つかむ」シリーズの一冊ということで、オーソドックスなスタイルの入門書を期待した読者のなかには、求めていたものとはちがったと感じるひとがいるのではないでしょうか。総じて、社会学にはオーソドックスな学説史を紹介している入門書がすくないように思います。碩学・富永健一の『思想としての社会学―産業主義から社会システム理論まで』(新曜社)は、入門書とはいいがたいものの、明晰な文章でつづられた優れた学説史だと思います。もっと手っ取り早い方法は、『公務員試験新スーパー過去問ゼミ 社会学』(実務教育出版)いわゆる「スー過去」で、基本事項をおぼえてしまうことでしょう。

  • すげー面白かった。こういう教科書物であると、権威のある学者の言い分をまとめたり、海外の学者だと現実的であっても甚だ大上段からの切り口になったりする印象があるが、本書は、そういった議論と現代日本の卑近な実例と混ぜてあり、こちらの問題意識にダイレクトに結びつく。また章立ても、人と社会の関係性から再構成されていて、理解もしやすい。理論的な説明については弱いが、それは参考文献から自身で読み進めるべきだろう。

  • 1章は、なかなか良かった。特に因果関係の循環を記述することの重要性を指摘するところとか、生活世界と社会構造を関連付けるところなど。組織にどっぷりつかっている今、パーソンズの重要性も再認識できた。2章も自分にとっては良かった。
    また1単元ごとの分量(数単元で1章)が短いので、夜寝る前とか職場の昼休みに読むのに非常に適している。
    ただ慨して、重要なことをさらっと言ってしまっており、全くの初学者の方には向かない気がする。

  • 放送大学附属図書館「主任講師が選ぶ参考文献」
    『社会学概論('21)」北川由紀彦先生推薦

  • 読み手に「自分たちが考えるように考えさせよう」という意図が露骨。こういうのを学問とは言わない。思想教育だ。

  • 社会学を学び始めてみると、社会とは、人間が生み出した、人間から離れて、人間を拘束する力を得るに至った、人間の力では変えがたい、巨大なモンスターのように思えてくる。でもそれだからこそそこに活路があるという気もしてくる。「モンスター」ならそれをうまく手なずけることもできるはずさ、と。

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著者プロフィール

神戸大学大学院国際文化学研究科教員
主な著書に『貧者の領域―誰が排除されているのか』(単著、河出書房新社、2010年)、『人間にとって貧困とは何か』(単著、放送大学教育振興会、2019年)

「2021年 『日本で働く 外国人労働者の視点から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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