コンストラクティヴィズムの国際関係論 (有斐閣ブックス 108)

  • 有斐閣 (2013年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (322ページ) / ISBN・EAN: 9784641184107

作品紹介・あらすじ

国際関係論の主要な分析枠組みの一つであるコンストラクティヴィズムを説明し,それを用いた事例分析の方法を解説したテキスト。国際関係や隣接分野の主な問題を取り上げ,研究者が分析を行う過程を追体験できるよう,その問題の現状と先行研究をふまえて事例分析を行う。

感想・レビュー・書評

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  • 「国際関係論」においても社会構成主義的なアプローチがなされているということで、なんか入門的な図書はないかと探していたら、amazonの検索に引っかかったので、読んでみた。

    最初のほうで、海外の国際関係論の研究論文の2割以上は、コンストラクティヴィズムだという!では、日本が「遅れている」のかと思えば、日本でも2割くらいはコンストラクティヴィズムだと。。。。

    もちろん、「国際関係論」の学術誌を読んでいるわけではないので、そんなに流行っているというのはしらなくても仕方ないのだが、それにしても、1冊丸ごとコンストラクティヴィズムの本で、日本語で読めるものがなかなか見つからないので、本当かな、これって?

    この分野では、最重要な著作とされるAlexander Wendtの "Social Theory of International Politics"(1999)も未翻訳だし。。。。(Wendtに限らず、国際関係論の「基本図書」で未翻訳のもの、忘れた頃に翻訳がでたものはたくさんあるといえば、あるが。。。)

    さて、国際関係論という「リアル・ポリティーク」な傾向がつよい分野にどう社会構成主義がアプローチするのかな?

    そんなことを考えながら読んでみたら、これは、ある意味、「普通」ぽい事例研究に読めなくもなく、質的研究、政治プロセス的な研究も含めてコンストラクティヴィズムだと言えば、なるほど、そうとも言えるかな?みたいな感じなのかな〜?

    ある意味、日本での国際関係論の研究って、地味な(?)事例研究が多いといえば多いわけで、コンストラクティヴィズムにもともと似ているところがあったということなのかな?

    方法論的にも、「まっとう」で、「問題」を前提とせず、なにがどうしてどのように「問題化」されるかというプロセスを言語的なやりとり、アクター間の相互関係から読み取っていこうというもの。

    また、社会構成主義では、実証研究には批判的なところもあるのだが、国際関係論の世界では、実証研究とリンクさせていこうという方向みたいだし、事後的に起きたことを解釈するだけでなく、ある程度限定された範囲での法則性というか、パターンのようなものを見出そうという努力もありそう。

    なるほどね。

    思えば、80年代くらいまでの国際関係論って、あいかわらず、戦争とか安全保障がメインのテーマで、それに経済的な要素がどう関係するかという話しだったと思う。まあ、まだ冷戦の時代だからね。

    方法論的にも、一部、政策決定者の認知とか、組織文化の影響みたいな論点もあったけど、基本、合理的選択論が中心で、数理モデルみたいなのもあった。

    ある意味、強引に理論化、モデル化しすぎていた「国際関係論」が、普通の質的研究を重視するようになり、そこに社会構成主義的な「言説分析」などの方法論が取り入れられたということか?と思った。

    とても「まっとう」なアプローチだし、事例ででてくる議論も説得力あると思う。が、知的好奇心という意味では、まあまあかな。

    さて、Wendtを原著で読むかどうか。。。

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著者プロフィール

同志社大学教授

「2016年 『FTA・TPPの政治学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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