文化人類学のエッセンス 世界をみる/変える (有斐閣アルマInterest)

  • 有斐閣 (2021年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (308ページ) / ISBN・EAN: 9784641221697

作品紹介・あらすじ

私たちの身近な経験とつながる制度や出来事を人類学はどのように見るのか,最新の成果をわかりやすく伝える入門テキスト。文化と社会の多様性がわかるさまざまなテーマを通じて世界の見方を学び,世界を変えていく手がかりを得るための1冊。

みんなの感想まとめ

文化人類学の視点から身近な経験や制度を探求する内容で、特に大学の初学者に適した入門書です。三部構成の中で、傷つきやすい人間、文化批判、未来の構成という多様なテーマが扱われており、各章末には学習に役立つ...

感想・レビュー・書評

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  • 「序」によれば、大学の1・2年生や専門課程の初年度で初めて文化人類学を学ぶ学生を対象とした本とのことである。

    三部14章の構成となっており、第Ⅰ部「傷つきやすいものとしての人間」、第Ⅱ部「文化批判としての人類学」第Ⅲ部「人類学が構成する未来」に大きく分けて、さまざまなテーマを扱っている。
    各章末には学習する際にまず目を通した方が良い基本書があげられていて、とても参考になる。
    全体を読む前に序を熟読するとなお良いと思う。

    少し残念なのは、参考書として挙げられている図書の多くが現在新刊書店で入手しにくいことである。

    この本のせいではなく、本の流通の問題なのだが、良書であっても品切れとなるまでのサイクルの速さに驚いてしまう。

  • プロローグにあるように、「人類学とは何たるや」を説明した本ではなかった。なので、わかったようで、全然わからないまま読了。
    フィールドワークをメインとする人類学だけど、社会学との線引きはどこでされるのだろう。本作は実践編で面白いと思うこともたびたびあったけれど、なんだか抽象的過ぎてよくわからないという印象。もっと入門編的な一冊を選ぶべきだった。

    P.14-
    西ティモールの廃品回収で生計を立てているひとびとは、ジャカルタのホームレスを見て「あいつら大変だな」とこぼす。
    西ティモールの彼らは「何もかもある。ただお金だけがな」く、労働市場にそれなりの居場所を確保している。

    P.38-
    インドで大地震があった際に、家庭でもできる手仕事が女性の経済的自立へとつながった。東日本大震災の際には、経済的自立とはならなかったが、「暇つぶし」としての手仕事の機能を積極的に評価すべきだと思えた。

    P.83-
    ポリアモリーとは1990年初頭のアメリカでつくられた概念で、合意に基づいて複数の性愛関係を築くこと、そのような性愛関係を生きることを指す。そのため、パートナーに隠れて他の人と交際することとは異なる。彼らが嫉妬を飼いならすために試行錯誤している様相は、ポリアモリーを実施する中で傷ついてしまう、という人々の切実な現実を反映している。

    P.123-
    日本の農業は農薬づけ、食品は薬品づけ。一般に日本の農家は、稲を収穫するまでに農薬を8回まくといわれている。キャベツなどの葉野菜はもっと多く、虫に食われると売れなくなるので、収穫までに農薬を30回まくこともまれではない。
    日本の有機農業は、ヨーロッパ諸国と比べてずっと小さい割合である。
    採れたての野菜を口にできる、有機農産品を入手できるといった食材の多様性の確保には、各国の農業政策が大きく影響している。その意味では、どのような食事をし、どのような食べ物をとるかは、すくなからず政治的な行いと言える。

    P.162-
    「満場一致」の意思決定をしてきたのは、日本のムラの寄り合いである。もちろん容易に達成されるわけではないが、多数派と少数派、賛成派と反対派に主張が割れるのものの、村びとは、何時間も何日も昼も夜も議論を重ねて、最後は全員一致の合意を達成する。それは単純に多数の意見が論理的に採用されるという方式よりも、深く広く人々の参加を促し、ともに合意をつくり上げるという協働と連携のつよい感情を喚起することで、社会の絆を再生、強化していくという。

    P.175-
    文化人類学は、たんに外国の珍しい習慣や文化を調べて紹介することを目的とする学問ではない。今、私たちが暮らしている社会で「常識」とされている仕組みの持つ「欠陥」を明らかにして、それを乗り越えるためのもう1つのあり方を、様々な異文化を探求するなかで、ともに考え、ともによりよい世界を創造する実践こそが「文化人類学する」ことなのである。

  • 文化人類学の導入として,身近な概念をいかに学問化するかという観点から,さまざまなテーマごとにまとめた本である。

  • 読みやすさ★★★☆☆

    文化人類学は大抵どんなことでも研究対象にできる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/770091

  • 文化人類学の入門書。
    一通りサッと読んで、気になったところを深掘りしていくという読み方がおすすめ。
    個人的には、14章のエスノグラフィとICTの話が興味深かった。ICTによって社会が変化するだけでなく、エスノグラフィも変わっていくのだということ、その創造性に満ちたワクワク感が伝わった。

  • 文化人類学のエッセンス -- 世界をみる/変える

    編著者:春日直樹 (大阪大学名誉教授,一橋大学名誉教授),
    編著者:竹沢尚一郎 (国立民族学博物館名誉教授)

    シリーズ:‘有斐閣アルマ > Interest
    2021年01月発売
    四六判並製カバー付 , 308ページ
    定価 2,200円(本体 2,000円)
    ISBN 978-4-641-22169-7
    The Essentials of Cultural Anthropology
    ジャンル:人類学 > 文化人類学
    http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641221697

    【簡易目次】
    序 論
    第1部 傷つきやすいものとしての人間
     第1章 貧困(森田良成)
     第2章 自然災害(金谷美和)
     第3章 うつ(北中淳子)
     第4章 感染症(浜田明範)
     第5章 性愛(深海菊絵)
    第2部 文化批判としての人類学
     第6章 アート(兼松芽永)
     第7章 人間と動物(奥野克巳)
     第8章 食と農(竹沢尚一郎)
     第9章 自分(春日直樹)
     第10章 政治(松田素二)
    第3部 人類学が構想する未来
     第11章 自由(中川 理)
     第12章 分配と価値(西 真如)
     第13章 SNS(久保明教)
     第14章 エスノグラフィ(小川さやか)

  • 東2法経図・6F開架:389A/Ka79b//K

  • ーー私たちの身近な経験とつながる制度や出来事を人類学はどのように見るのか,最新の成果をわかりやすく伝える入門テキスト。文化と社会の多様性がわかるさまざまなテーマを通じて世界の見方を学び,世界を変えていく手がかりを得るための1冊。ーー

    いい印刷の匂いのする本。
    第1章 森田良成 貧困
    第6章 兼松芽永 アート
    第8章 竹沢尚一朗 食と農
    第10章  松田素二 政治
    上記は、一読の価値あり。

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著者プロフィール

大阪大学名誉教授,一橋大学名誉教授

「2021年 『文化人類学のエッセンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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