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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784641280229
感想・レビュー・書評
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訳者の子安増生氏が後書きで本書の特徴を簡潔にまとめており、その通りだと思う。
まず、多数の図版つまり実証実験の証拠が多く、それが正確かつ読みやすさを強く後押ししている。読みやすさは子安氏の訳に負うところも大きいかもしれない。また構成が非常に明確で、日頃、このように書きなさいと指導される論文の書き方のお手本のようである。中身は発達的視点と教育的視点を含んでいる。子どもの絵からわかる心理や認知的発達の様子を、実証を積み重ねて指摘するだけでなく、子どもの絵に関して、基本的技術を教えない現在の教育について課題を指摘している。
子どもは見たままを描くのではなく、知っていることを描き、これを知的リアリズムという。ある段階から写実的に描くことに興味を示すが、三次元のものを二次元で表現するのは技術が必要だ。一方、現在の美術教育では、子どもの感性、創造性を伸ばすために「自由に伸び伸び」と取り組ませることが重要として、基本的技術を教えない。このことが子どもが絵に対する思い(描きたいことを描けない)を減じさせる原因となっている。音楽や文章で基礎を教えるように、絵にも基礎を教えることで、子どもの絵の力や興味関心は持続する。
「知っていることを描く」知的リアリズムと右脳左脳について。左脳は言語に基づく思考と関わり、右脳は視空間的思考に関わるという。見たままを描くというのは右脳の働きが強く、ある自閉症の子どもは写実的な絵画が非常に得意だった。しかし言語を習得するにつれ、その能力は普通化してしまったという。
見たままを描くのは確かに難しい。「こうあるはず」という知識が邪魔をするのか助けるのか。空間認知は私は苦手だったことを思い出した。小学生の頃、立体図形をある点から切ったら断面はどう見えるかという問題が苦手で、立体図形は今でも苦手意識がある。絵を描くということを通じて子どもに限らず、人間の心理的発達について非常に示唆に富んだ本と感じた。また、具体的なたくさんの子どもの絵とそれについての分析を通じて、発達心理学で学んだ内容が腑に落ちたのもありがたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コピッツの人物画検査の30の発達項目、情緒的指標 など。
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子安増生の作品
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