よくわかる税法入門 (有斐閣選書)

  • 有斐閣 (2012年4月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (388ページ) / ISBN・EAN: 9784641281295

感想・レビュー・書評

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  • 形式としては税理士とゼミ生のやり取りの後に教授が解説するという方式なのだが、税理士とゼミ生のやり取り部分が提起している問題点が若干わかりづらく、また話を持っていく方向が見えにくい章がある(その章を担当の先生に寄る差もある)ため、とっつきやすさを意図したのであろうがやり取り部分はもう少しシンプルでよかった。
    法学部の学生向けに税法という法律を学ぶために書かれた本であるため、税務を理解しようと思って手に取る人には得ようとするものがおそらく違う本であると思うし、ある程度税法の知識がなければいきなり問題点を提起されてもピンと来にくいというところで、そのような方々には入門という言葉をそのまま捉えてはいけない。
    しかし、法学部卒以外の税理士受験生にとっては、なぜそのような規定になっているのか、ということを考えさせられる良いきっかけとなる本である。
    例えば所得税の基礎控除はなぜ38万円なのか、そしてそれは適正な金額といえるのか、ということや、消費税増税に向けて生活必需品の消費税率を他の物より下げたり非課税にすることが単純な話ではないことがよく理解できる。
    また、諸外国と比べて日本の税法はどうなっているかという比較の説明や図も多いため、資料として参考になるところも多い。
    税法を法律と捉えて勉強する機会がなかった人には内容が基礎的で理解しやすいため一度読んでおくと良い本だと思う。

  •  税法の世界では有名な入門書。サブタイトルにあるとおり、ちょっとオトナの色気を漂わせる(?)税理士・春香が、ゼミ生とやりとりし、そこに先生の解説がつくという、非常に読みやすいスタイルの本です。
     内容も、税の複雑な話は極力抑えてあり、ゼミ生の素朴な疑問からスタートして税法の基本的な考え方を押さえていくものになっています。

     消費税増税議論が大詰めを迎えている今、もう一度基本に立ち返る意味で、18章から20章の消費税に関する部分だけでも立ち読みして欲しいくらいです(大きな書店に行かないとなかなか置いてないと思いますが…)。

     消費税に関しては、買った物に何パーセントの消費税が加算されるわかりやすく平等(水平的平等)な税、と思っている方も多いかも知れません。
     しかし、現行の消費税制について知れば知るほど、これほど複雑怪奇で不平等な税はないんじゃないかと思わされます。
     例えば、僕らが消費税として払っているのは、税金ではありません(消費者に転嫁された、消費税相当額の負担金であり、対価の一部です)。
     消費税というのは事業者に課される税ですが、それが消費者に転嫁されているわけです(担税者と納税義務者が異なる)。しかも、消費税は流通段階の各所で発生するのですが、大企業が下請けに消費税の負担を転嫁してしまうこともあります。地味な話に見えるかも知れませんが、思っているより消費税負担は公平じゃなかったりするんです。

     一方で、消費税には課税売上高が1000万円以下の事業者の納税義務を免除する「免税点」制度と、簡易課税制度により、深刻な益税問題を発生させています。要するに、我々消費者が負担した消費税相当額が、業者の寄付に化けちゃっているという話です。
     本書によると、平成17年時点での益税発生額は約5000億円(内、簡易課税によるものが約1000億円、免税点制度によるものが約4000億円)と見込まれています。ここで消費税率が10%まで引き上げられると、益税は約8000億円のまで拡大する可能性があるとのこと。これを放置したまま増税議論だけが先行するのは、やっぱり納得いかないと思いませんか?

     更に、増税に関連して軽減税率の是非が取り沙汰されていますが、これもそう簡単な話ではありません。詳しくは本書と野口悠紀雄『知っているようで知らない消費税』のChapter 2をご参照いただきたいのですが、単に小売り段階で非課税にしても、最終消費者が減税の利益を享受できないか、業者が消費税分を負担しなければならなくなるかのどちらかとなります。
     テレビの消費増税関連議論では、軽減税率の是非しか語られませんが、そもそもちゃんとできるのかについてつぶさに検討されていることはほとんどありません。テクニカルな議論だからと避けているのかも知れませんが、制度をいたずらに複雑にすることのコストを見積もらずに議論を進めているとなると、それはそれで机上の空論という奴です。

     他にも、税について知っておくべき知識が読みやすい形でわかりやすくまとまっている本書。こと税金の話になると新聞もニュースもてんでアテにならない所があるので(記者の多くが給与所得者で、源泉徴収されていて税金についての実感があまりなく、知識も興味もないからかもしれません)、最低限のことくらいは自分で知っておく必要がありそうです。

  • 345.12||Mi24

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著者プロフィール

青山学院大学名誉教授,弁護士

「2026年 『よくわかる税法入門〔第20版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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