〈主婦〉の誕生 婦人雑誌と女性たちの近代

  • 吉川弘文館 (2010年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784642037969

作品紹介・あらすじ

「女は家庭、男は仕事」という性分業が成立した近代に、「主婦」は誕生した。女性はどのように近代的なジェンダー秩序を受け入れていったのか。一九二〇年代に大衆化した『主婦之友』『婦人公論』の記事や読書欄などを分析し、婦人雑誌がいかに「主婦」像をつくりだしたのかを解明。近代社会におけるマスメディアというイデオロギー装置の機能を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 木村涼子『〈主婦〉の誕生 婦人雑誌と女性たちの近代』吉川弘文館、読了。「男は仕事、女は家庭」という性別役割の分担と主婦というライフスタイルは近代に確立する。本書は、社会装置としてのメディア(婦人雑誌)に注目し、近代社会の形成とその再生産のプロセスの特徴を明らかにする好著。

    素材として取りあげるのは、1920年代に大衆化した商業婦人雑誌(主として『婦人公論』と『主婦の友』)。本書は、「主婦」が「第一の職業」として生成され、女性自身によって受容されたプロセスを明らかにする。概念が相互に生成された経緯には驚く。

    20~30年代の婦人誌の特徴は、「技能」「規範」「ファンタジー」といった重層的な構造をもって、女性に対するニーズ(有益・修養・慰安)に応じるだけでなく、ニーズを引き出し、「主婦」という概念を相互に生成していく。主婦とは「魅力的」なのだ。

    当時の婦人雑誌が「読者欄」に力をいれていたことに驚いた。読者から雑誌への人格に対する如き反応は「主婦を育てつなぎとめる共同体」の役割を果たす。雑誌という社会装置による先験的な概念生成だけでなく、女性の側からの適合的な社会化も要因の1つ。

    婦人雑誌という社会装置がいかに近代的なジェンダー秩序形成に寄与したのか、そして資本主義社会におけるメディアというイデオロギー装置の特徴を明らかにする本書を読むことは、「かつての事」を学習する以上の意義がある。メディア論としてもお勧めの1冊。

    日本出版学会 近代日本における〈主婦〉の誕生  木村涼子 (2011年6月2日) 
    http://www.shuppan.jp/bukai12/438-201162.html

    「本書が,マスメディア研究においても,ジェンダー研究においても,小さくとも新たな一歩を付け加えることができていればと願っている」。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000676071

  • 社会
    歴史

  • 戦前期の主婦像を婦人雑誌から研究した一冊。先行研究がよく踏まえられ、研究の内容も非常に参考になるものが多い。数量的にまとめてあるため、使いやすいデータでもある。新しい本だが、今後とも注目される一冊であろうと思う。

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著者プロフィール

大阪大学教授

「2023年 『新・教育の社会学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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