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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784642037990
作品紹介・あらすじ
明治末~昭和初期、高等教育を受けながら一定の職にない「高等遊民」が社会問題化した。「危険思想」への傾斜が懸念された彼らに、政府や世論はどう対応したのか。高等遊民の実像と政治社会へ与えた影響、各種政策や自助努力による解決策をメディア史料などから解明。現代のニート・フリーター問題にも通ずる社会矛盾を考え、近代日本社会を問い直す。
感想・レビュー・書評
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明治末から昭和初期の近代日本における「高等遊民」問題の発生とその歴史的意味を、問題化の過程と政府世論の対応、そして実際の「高等遊民」の事例を検討することで明らかにしている。高等遊民問題を体系的に扱った研究書として無二のものである。
現代において発生しているニート、フリーター、高学歴ワーキングプア等の問題を考えるうえでも示唆が得られる。高等遊民解消の方策として、独立自営論(起業論)や地方回帰(帰農)が提起されていたというのも、いつの時代も変わらないのだなと感じた。また、高等遊民は「危険思想」の担い手になりうるものとして警戒されていたが、実際「左」だけでなく「右」の思想運動の担い手となっている例もあるということで、これも現代の「ネトウヨ」等とも通じる気がして興味深く感じた。
戦前の高等遊民問題は、戦争により、彼らが「適切」に国家に位置づけられる状況の出現によって解決したということだったが、高等教育を受けた人々をどう社会に位置づけるかということの重要性を感じた。
ただ、高等遊民問題の背景には、不況による失業問題等があり、また、高等遊民の実態がわかる史料が限られているということもあり、高等遊民という切り口にどこまで有効性があるのかという点は少し気になった。また、結論部分で、高等遊民問題を近代社会に必然的な歴史的現象と論じているが、それまでの実証部分からちょっと飛躍があるように感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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