橘諸兄 (295)

  • 吉川弘文館 (2019年6月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784642052887

作品紹介・あらすじ

奈良時代の政治家。母の橘三千代の死後、臣籍降下して橘諸兄(もろえ)となる。藤原四兄弟が疫病に倒れると政権の中枢に立ち、聖武天皇の度重なる遷都や東大寺大仏の造営など、天平期の諸政策を主導するが、藤原仲麻呂の台頭で失脚する。五世王にすぎなかった諸兄はいかにして政界の頂点に登りつめたのか。最新の発掘成果にも触れつつその生涯を描き出す。

みんなの感想まとめ

奈良時代の政治家の生涯を描いたこの作品では、橘諸兄の多面的な魅力が浮き彫りになります。彼は、母の姓を受け継ぎ、藤原四兄弟の死後に政権の中枢で活躍し、聖武天皇の時代に数々の政策を主導しました。著者は、諸...

感想・レビュー・書評

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  • この時代のものは色々読んでるけど、諸兄もまたあまり深堀りしてこなかった人物だったこともあり視点が変わって見え方が違う部分ありますね。政策一辺倒でもなく文学面ばかりでもなく橘諸兄のバランスの良さを感じました。まさに人徳であそこまで昇った人物でしょう。
    諸兄の、万葉集に見られるエピソードはどれも好きですねえ。
    元正太上天皇の御在所での雪かき奉仕の宴会でのエピソードも好きですが、天平勝宝四年の林王宅の宴で大伴家持の歌の末の句を換えて、その後で元のままでいいという指示をし直した話が印象的でした。
    そして諸兄の立場からの聖武天皇の東国行幸から始まる彷徨五年、改めて見るとクッソめんどくさいな!!!っていう感想しか出てこないしこれだけ付き合ってきた諸兄が、無礼があったと密告された件でもし聖武が罪に問うようなことがあったら、おれだったら謀反するぞってぐらい諸兄はエライ。

  • 母の姓を賜り、藤原四子亡きあと政権の中枢として天平期を主導するも、失脚へといたる生涯を時代の推移と共にたどり、その政策の方向性や政争の中における役割を示す内容。橘氏から見る奈良時代中期の政治動向がわかりやすい。

  • 橘諸兄は橘宿禰美千代(光明子母)の子にして不比等の異父兄弟として、天然痘脅威で閣僚の大半が無くなり、738年には台閣での重きをなした(皇族:葛城王)
    力の根元は光明子を妻とした聖武天皇である

    パワーバランスは人の死(病気・失脚)で崩れる
    737四兄弟・重臣・・・諸兄台頭
    745聖武天皇大病・・・橘奈良麻呂の衝動
    748元正太政天皇・・・光明皇后の権勢
    756聖武太政天皇・・・道祖王皇太子の遺詔
    757橘諸兄・・・道祖王廃太子・奈良麻呂の変

    光明皇后こそ奈良政治の中核をなす人物である
    藤原三女=実家の当主としての意識で朝廷にとり
    藤原氏を准皇族と見做される存在になる
    ※そうならないと皇后になれない
     藤原氏特有の優遇策
    (通常4世必要な皇女との婚姻は2世でOK)
    →後の藤原良房は皇女源潔姫を妻(前代未聞)

    最初は諸兄支持の光明皇后も、より才覚溢れる藤原仲麻呂に鞍替えし、元正太政天皇崩御により人事で諸兄の力をそぐ(吉備真備左遷→754遣唐使副使)
    749紫微中台(皇太后行政組織)長官は仲麻呂
    孝謙天皇詔読み上げが仲麻呂となる
    此の頃は歌会なども光明皇太后・孝謙天皇・仲麻呂のグループと聖武太政天皇・諸兄と別れている

    756諸兄が致仕したのは橘家家司の密告に依るが、身近な人物まで仲麻呂は篭絡している
    (佐味宮守は奈良麻呂の変後従八位上から従五位下に)

  • 出てくる人物の名前がどれもとにかくややこしい。
    でもたいへんおもしろかった。

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著者プロフィール

1953年、神奈川県生まれ。1982年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。文化庁文化財保護部美術工芸課文部技官、文化財調査官などを経て、現在、日本大学文理学部教授・博士(文学) ※2019年7月現在
【主要編著書】『律令官人制と地域社会』(吉川弘文館、2008年)、『地方官人たちの古代史―律令国家を支えた人びと―』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2014年)など

「2019年 『橘諸兄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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