加藤友三郎 (人物叢書(新装版) 324)

  • 吉川弘文館 (2024年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784642053174

作品紹介・あらすじ

明治・大正期の軍人・政治家。連合艦隊参謀長として日本海海戦に参加。五つの内閣で海軍大臣を務め、政党勢力と連携しつつ海軍拡張をはかるが、のちワシントン会議の首席全権として軍縮を決断・実行する。首相に就任後、シベリア撤兵を行ない、国際協調外交と普通選挙制の導入など国内改革を目指しつつ在任中に病死するにいたるまでの生涯を描く。

感想・レビュー・書評

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  •  誕生から海軍士官として日清・日露戦争と続くが、やはり読みどころは本書後半、ワシントン会議と首相時代。
     ワシントン会議では交渉の過程がよく分かる。加藤の現実論による妥結と加藤寛治の筋論、善悪ではないが筋論がこの段階で通っていたらその後の歴史はどうだっただろうと想像する。大戦がもっと早く起きていただろうか。ほか、トン数比率以外に太平洋防備制限の論点もあったのは知らなかった。
     また日米英中とも、世論や議会への説明ぶりを気にしているのが20世紀の外交らしい。
     会議結果は海軍長老からも中央からも受け入れられ、加藤が首相になったのもそれが一因のようだ。首相時代の軍縮では将兵や職工らの大量失業が出たが、海軍出身の加藤でなければより反発が大きかったのではと想像する。
     加藤は加藤寛治を少なからず買っていたというが、それが後日の艦隊派と条約派という禍根を残したと本書はいう。また東郷平八郎はワシントン会議でも首相時代も加藤を推していた。一方で財部彪の海相就任には加藤は渋っていた。ワシントン会議後と、加藤の死後で本書の範囲外だがロンドン海軍軍縮会議後、なぜ海軍内部も世間の雰囲気も違ったのだろうか。

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著者プロフィール

愛知淑徳大学交流文化学部教授
1950年、愛知県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(政治学)。北陸大学法学部助教授、愛知淑徳大学現代社会学部教授を経て、現職。著書に『大正デモクラシーの時代と貴族院』(成文堂、2005年)、『大正デモクラシーと貴族院改革』(成文堂、2016年)、『水野錬太郎回想録・関係文書』(共編、山川出版社、1999年)、『貴族院研究会の領袖水野直日記』(共編、芙蓉書房出版、2017年)、『阪谷芳郎』(吉川弘文館、2019年)など。

「2021年 『貴族院議員 水野直とその時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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