魔女裁判 魔術と民衆のドイツ史 (歴史文化ライブラリー 102)
- 吉川弘文館 (1899年12月31日発売)
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感想 : 3件
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Amazon.co.jp ・本 (206ページ) / ISBN・EAN: 9784642055024
作品紹介・あらすじ
16~17世紀のドイツで、魔女の烙印を押され、迫害を受けた人びとがいた。その告発は民衆のなかから沸き起こり、大勢の無実の人びとが処刑された。大量処刑を可能にした魔術信仰とは何か。魔女裁判が迫害マシーンとなって暴走し、公権力すらこれを制御できなかったのはなぜか。魔女裁判を検証し、ドイツ史のなかの魔術と民衆の関係をみつめる。
感想・レビュー・書評
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著者は、『魔女とキリスト教』の著書もある上山安敏先生に師事し、先生との共同編集で『魔女狩りと悪魔学』も上梓している西洋法制史家である。共同編集といっても全9章のうち5章分は牟田氏が執筆しており、従来は同書が氏の実質的な代表著作であったと言えよう。
今回拝読した『魔女裁判』は、『魔女狩りと悪魔学』の成果を踏まえ一書としてコンパクトにまとめたもの。キリスト教知識人の悪魔との契約に基づく新しい魔女観と、民衆レベルでの害悪魔女・性愛魔女を中心とする伝統的な魔女観とが複雑に絡み合う中で、魔女裁判に狂奔した当時の社会的実態を明らかにしようとする。この意味では両書が重なる部分も多い。
本書で特徴的なのは、特に一章を設けて現代ドイツに残る魔女迫害についても言及している点だ。このような民間の魔女信仰に対しては、1950年代にヨハン・クルーゼが魔女妄想批判と魔術書追放運動を推進している。しかし、魔術書追放も学問の自由と表現の自由の壁に阻まれ、運動自体は部分的な成果を得るにとどまったようである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もうちょっと踏み込んでほしかった。
