海のモンゴロイド ポリネシア人の祖先をもとめて (歴史文化ライブラリー 139)
- 吉川弘文館 (1899年12月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784642055390
作品紹介・あらすじ
オセアニアの海洋世界に広がるポリネシアの島々。そこで生きる人々の祖先は、アジアからのモンゴロイドだった。彼らはアジアのどこからやって来たのか。日本が縄文時代のころに実在した、不思議な文様土器を持つ謎の民ラピタ人とは。先史人類学の視点から描く、アジアから島づたいに太平洋を越え、アメリカ大陸へと向かう海の民の壮大な歴史ドラマ。
感想・レビュー・書評
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中国南部~インドシナ、台湾~沖縄周辺に発生した、海洋交易を生業とするモンゴロイドは島伝いに南下を続け、ついには太平洋に点在するポリネシアまで進出した。彼らはどのような特徴を持つ人々なのかを、きわめて平易に解説する。
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「ラピタ人」というポリネシアの先史時代の祖先にまつわる話の本ですが、かれらが(考古学的にみて)極めて短期間の間に南太平洋の広範囲へ広がっていたことから『遠洋航海民』としての驚くべき姿を教えてくれます。
片山氏は研究の中で5H1Wをできる限り明らかにしていこうと努めているが、考古学にとっては「なぜ」は解明しがたい部分であると漏らしているところが面白い。
この「なぜ」という部分に焦点を当てたシーカヤック紀行文「縄文人は太平洋を渡ったか」という非常に興味深い本があるのですが、片山氏はさすがに科学者らしく「縄文人が・・・」的な論争には距離を置いていると何度も断っています。ただラピタ人の特徴と縄文人の共通点も多く、北方オホーツク人との連想にも触れておられます。
内容は、非常に科学的な本なのですが、著者の語り口にとてもロマンを感じられる文章となっていて、想像力が刺激されていく感じになっています。ラピタ人は東方の絶海の孤島までも航海したのであるから、そこで留まったとは考えにくく、アメリカ大陸までも航海していったことは否定しにくい研究成果が多くなってきているとして、太平洋を北周りに伝播していった先史時代のアメリカ大陸モンゴロイドと、航海カヌーで到達した遠縁のモンゴロイドが出会ったはず、と、なかなか魅力的なことを語ってくれます。
南洋の先史時代には、遠洋航海カヌーを駆使した『ラピタ人』の驚くべき歴史があった。このことは海でカヤックに乗る私たちのどこか血を熱くするところがあるような気がしています。 -
縄文人とラピタ人は実は関係が深いということを考えてしまう。はるか昔の石器時代にカヌーで太平洋を自由自在に行き来した人々がいたと考えるだけでわくわくする。
片山一道の作品
