帝国日本と植民地都市 (歴史文化ライブラリー)

  • 吉川弘文館 (1899年12月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (204ページ) / ISBN・EAN: 9784642055741

作品紹介・あらすじ

忘れてはならない負の記憶、植民地支配。植民地の歴史をめぐる日本人と他のアジア諸国の人々との認識のギャップは、なぜ生まれたのか。釜山や台北、ソウルなど旧植民地都市の具体的な姿から問題の背景を探り、日本の植民地支配の特徴を浮彫にする。さらに東洋と西洋の軋轢にも触れ、今日のアジアと日本の問題を考えるために必要な手がかりを示す。

感想・レビュー・書評

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  • 植民地歴史をめぐる日本と関係諸国との認識ギャップの背景として、日本の支配したアジア都市の具体的姿を描き、日本の植民地支配の特徴と問題点を浮き彫りにしようとした書。著者は、努めて誠実に日本の植民地支配・都市形成と西欧諸国のそれとの違いを浮き彫りにしようとし、その違いは日本の当時の後進性に由来すると訴えかけようとする。なるほど日本人が読めば、その意は伝わるはずだ、が、被害者と自認している者はそのように受け取るだろうか。往々にして被害者は加害者の正論(根拠の如何を問わず)を冷静に受け止めることが難しい。
    感情がこれを許さないからだ。それゆえ利害の乏しい第三者の裁定を要する。本書程度の正論が受け入れられる ことはあるのかは、よほどうまく立ち回らないと難しいように思う。以下、備忘録。①通常は、植民地都市は、治者・被治者の二重構造・分離化が進む。ただし、ソウルのような植民地前に既に都市化が進展しているところでは、別儀。また、形式的にも独立を維持した満州諸都市(長春・奉天等)は、治者・緩衝地帯・被治者の三層構造。
    ②1920年代の農民のソウル流入(←日本への事実上の米の飢餓輸出・土地調査事業に伴う農民没落)→雇用不足→雑業層の形成・スラム化の流れ。③西欧植民地化にあった東南アジアは準西欧的価値観のもとにあり、大東亜共栄圏に賛同する積極的動機はなかったこと(これについては疑問もある。むしろ、日本も西欧と変わらないか、政治的には悪と思われたため味方にならなかったのではないか?)、④本書は併合前史の朝鮮建築事情が詳細。

  • 日本の植民地都市の形成過程や構造を明らかにし、日本の植民地支配の特徴を考察。きれいにまとめていて分かりやすい。

  • 「都市」というより「建築」を通して見た、帝国日本の植民地政策。欧米諸国と違い、宗主国無き後に、影響力を与えられなかった日本を、建築から読み解いていて興味深い。

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