- Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642055796
作品紹介・あらすじ
武道はいかに誕生したのか。文明開化の時代、武士階級と結びついていた武術は、存続をかけて新しい道を模索する。講道館柔道をモデルに、格闘技興行や軍国主義の影響、戦後のスポーツ化など、知られざる武道の歴史を探る。
感想・レビュー・書評
-
「いだてん」を視聴しながら15年ぶりの再読。”講道館柔道”を中心に明治期になって”武道”がどのように誕生し、”伝統”が作り出され、その時々の時代背景とともに変遷してきたかが解説されている。著者が学生柔道経験者なので嘉納治五郎と柔道を軸にしていますが、日本におけるスポーツ史やその時代背景も語られていて、改め読むと非常によくまとめられていると感じた。以前読んだときは全然知らなかった金栗四三や野口源三郎などの人物や時代背景も、「いだてん」で馴染んだ後に読むととても分かりやすくなった。専門書ではなく一般向けに大変読みやすくなっているが、著者が学者なので文献も豊富に紹介されているので資料としても役立ちそう。
本書は、作り出された伝統としての「武道」という見方から歴史を読み解こうという立場で書かれている。身のまわりに当たり前のように存在しているものは特に”伝統”などと認識されないが、それらが失われそうになって新たに「伝統」が作り出される。”武道”という言葉自体、実は明治以降に現れたもので、その中心に近代合理主義を身につけて”柔術”から”柔道”を作り出した嘉納治五郎がいる。現代の形に繋がる武道はたかだか120〜130年ぐらいの歴史だと言えよう。そして近代に作り出された武道は、武術のみならず武士道・精神修養と結びついて、いつの間にか日本人のアイデンティティーとなっているようだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつも文体が退屈だといっているこのシリーズだが、本書はかなり楽しく読めた。
僕の興味に合致したからか、著者が社会学者だからか。 -
武道、得に柔道に関する歴史というか成り立ちについて書かれている。