- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642056571
作品紹介・あらすじ
江戸時代の大名・旗本や幕府の役人が一覧できる名鑑=武鑑。紋所や大名行列の道具が絵入りで描かれ、二百年以上もの間、ロングセラーとなったその魅力に迫り、出版をめぐる須原屋と出雲寺の百年にわたる攻防を追う。
感想・レビュー・書評
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吉川弘文館 らしい歴史マニア本
武鑑 のことや江戸時代の本屋事情などを論じている。初めて知ることばかりで面白かった
武鑑とは 江戸時代に出版された大名名鑑のこと。大名の系図、紋所、屋敷の場所だけでなく、妻の出自、参勤時の将軍への献上品まで記録されている
出世の情報を手に入れるために出版されたとのことだが、人の出世情報を知ってどうするのだろうか?
民間の本屋が情報を収集して、武鑑を出版したことに驚いた
森鴎外や池波正太郎らは武鑑を史料として活用し、コレクションもしていたとのこと。江戸切絵図と武鑑を一緒に見ると、平面地図に大名たちの息吹を感じたり、物語が生まれそうな気がする
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副題「武鑑と出版競争」〜大名・旗本の当主の名や官職,系図,知行高,紋や行列の標,献上品などを御三家から始め,彫って刷って製本して一部献上し,他は販売する。須原屋と出雲寺が火花が出るほど,工夫を凝らし,意匠について真似した,株を黙って使用した・・・と争う。出雲寺は御目見得の町人としての地位を利用し,須原屋は理を説いて仲間に訴える〜これが私のライフワーク・・と云われても学術論文を分かり易く(?)書き直したものだ・・と云われても,眠くなること請け合い。もうちょっと,練ってこねくり回して書いてくれないと一般の読者は放り出すよ。いやはや本当に睡眠薬としての効果が高い本でした