「国民歌」を唱和した時代―昭和の大衆歌謡 (歴史文化ライブラリー)

著者 :
  • 吉川弘文館
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 17
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642057028

作品紹介・あらすじ

満洲事変に始まり、しだいに緊迫する戦時体制下、「上から」の流行歌が戦意昂揚のため作られた。政府・軍からメディアと大衆までを巻き込み、次々と登場し唄われる「国民歌」。「うた」を通して戦争の時代を鋭くえぐる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • レコード普及によって昭和期に始まった日本の流行歌、特に2次大戦終了までの国家主導による「国民歌」の歴史を概説した本。
    もう少し深い論考があるかと思いましたが、あっさりしてました。そういう意味では少し期待はずれ。歴史文化ライブラリー自体がそういうものなのかもしれませんが、初めて読んだのでわかりません。

    読了日は忘れたので大まかなところ。

  • 戸ノ下達也「『国民歌』を唱和した時代 昭和の大衆歌謡」吉川弘文館、読了。本書は「うた」を通して戦争の時代の動員の構造を鋭く描く優れた歴史研究。国民歌とは「国家目的に即応し国民教化動員や国策宣伝のために制定された国もしくは国に準じた機関による『上から』の公的流行歌」と著者はいう。

    国民歌とは軍歌をはじめ戦時歌謡など形態は様々ながら、国家総力戦遂行を目的とした〝公的流行歌〟。例えば、軍歌の代表と目される「海ゆかば」は、「国民精神総動員運動」の宣伝のためにNHKが製(政)作した国民歌。

    本書がつまびらかにするのは、日本音楽協会(内閣情報局と文部省の肝煎りで設立)と各種メディアが戦意高揚歌を次々とつくり、国民に歌わしめる経緯を明らかにするが、歌で繋がる挙国一致への収斂は過去の話ではない。

    「国民歌」を唱和した時代は戦前昭和に限定される遠い過去ではない。よりしなやかに洗練された〝落とし込み〟のある現代、その基本構造を解き明かす本書の意義は大きい。さてオリンピック唱歌は誰が歌うのやら。

    くわばらくわばら(2013.09.09)。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1963年、東京都に生まれる。1987年、立命館大学産業社会学部卒業。現在、洋楽文化史研究会代表幹事。 ※2010年7月現在
【主な編著書】『戦時下音楽界の再編統合』『音楽を動員せよ―統制と娯楽の十五年戦争―』『総力戦と音楽文化―音と声の戦争―』(編著)


「2019年 『「国民歌」を唱和した時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

戸ノ下達也の作品

ツイートする