高 師直 室町新秩序の創造者 (歴史文化ライブラリー)

  • 吉川弘文館 (2015年7月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784642058063

作品紹介・あらすじ

足利尊氏を支えた執事高師直。戦前は南朝忠臣の好敵手として、戦後は尊氏の弟直義の政敵として常に悪人イメージがつきまとい、いまだにその評価は低い。『太平記』につづられた悪行の数々ははたして本当なのか。軍事面だけでなく政治・行政の側面から幕府基盤の確立に貢献するなど、卓越した改革派政治家として再評価し、栄光と没落の生涯を描く。

みんなの感想まとめ

この作品は、南北朝時代に活躍した高師直の実像を掘り下げ、彼にまつわる悪評を再評価する内容です。著者は、師直が単なる悪人ではなく、優れた武将であり、実務官僚としても高い能力を持っていたことを丁寧に描写し...

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    高一族の成り立ちから擾乱後の高氏の没落まで丁寧に書ききって、過去の師直の人物像や、擾乱の争点を訂正しながら、師直を推していく亀田先生ににっこりしてしまった。
    直義以上に政治家的な面が強かった師直。神仏などないと考え、革新派だと思われた師直が、臨済宗に重きをおいて仏教信仰の動向もあり、政治的な考え方は保守的な方だった。最終的に観応の擾乱では敗北し、非業の死を迎えた師直だけど、尊氏および義詮への忠誠を貫き、足利将軍家の政のレールを敷いた存在だった。
    そんなん好きになるわ。
    エピローグでは亀田先生の師直推しが爆発してたのも含めて、面白かったです。

  • 南北朝時代に活躍した高師直を描いた作品。
    悪者イメージが強い師直の事績を追いながら実像に迫っていて興味深く読めました。
    特に読み進めている中で観応の擾乱で不明瞭だった部分をエピローグで示してくれてよかった。

  • 室町幕府初代執事である高師直の伝記。本人だけでなく先祖や一族についても取り上げられていて非常に興味深く読めた。一般的な悪人イメージについては一次資料を挙げつつ反証がなされていて説得力のあるものだったと思う。

  • 悪玉としての評価が定着してしまっている高師直の、室町幕府の歴史における革新的な役割を執事施行状に着目して明らかにしている。将軍による恩賞宛行の履行を促進する公文書である執事施行状が真の威力を発揮する前に観応の擾乱が起きてしまうが、結局は管領による行政の元となったという。師直の悪の行状とされる逸話にも検討が加えられ、師直以外の高一族も祖先から子孫まで紹介されている。

  • 高師直って尊氏の切り札であったわけだし、今の視点からはスーパースターといってもいいんじゃないかな。何せ吉良上野介なわけだし。
    由緒正しい出自だけど、旧習に囚われない。武力に優れていた以上に、教養人で行政能力にも長けていたらしい。
    足利家執事という職分が、室町幕府の管領制度に繋がったことも、師直の価値を証明していると思う。

  • 室町時代前期、悪玉の代表といっても過言ではない高師直。
    その一般認識の打開を目指した本。
    とはいえ、紙面が限られていることや高師直の伝記がないこともあって、わりと時系列にそって事績を説明されているような印象もうける。

    高一族の所領が少なく、所領の集積にさほど熱心ではなかった、の部分にもっと焦点をあててほしいなぁとも思った。
    そういう一族はほかにもいたのだろうと思うけれど、それとはどう違うのか、などなど。
    今後の師直研究に期待。

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著者プロフィール

亀田俊和(かめだ・としたか)
1973年秋田県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。現在、国立台湾大学日本語文学系助理教授。主な著書は『室町幕府管領施行システムの研究』(思文閣出版)、『観応の擾乱』(中公新書)、『高師直 室町新秩序の創造者』(吉川弘文館)、『征夷大将軍・護良親王』(戎光祥出版)など。

「2021年 『新説戦乱の日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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