殺生と往生のあいだ 中世仏教と民衆生活

  • 吉川弘文館 (2015年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784642058148

作品紹介・あらすじ

浄土教が浸透して地獄の観念が広まり、動物の生命をうばう殺生(せっしょう)が罪とされた中世。狩猟や漁業が全面的に禁止となり、そこにたずさわる人々が弾圧された。実際には肉や魚を食べる矛盾を抱えつつ、なぜそのような宗教的差別が行われたのか。殺戮(さつりく)をなりわいとする武士の苦悩にも触れ、中世の文化や宗教の特質を「殺生」というキーワードから考える。

みんなの感想まとめ

中世日本における仏教の殺生観とその社会的影響を多角的に探求した作品は、殺生禁断の教えと現実の生活との矛盾を浮き彫りにしています。狩猟や漁業が禁止される中で、民衆や武士が抱える苦悩や、国家や寺社による弾...

感想・レビュー・書評

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  • 「殺生」は仏教の中の戒律違反としては最悪なものであり、地獄行きという教えが日本に拡散していく。
    古代仏教本来の物ではなく、儒教的な色合いの篭った中国仏教の系譜「天台宗」が中心であった。
    中世のおいて、荘園、寺社、武士の社会の中、「殺生」をどうとらえ、現実とのすりあわせをしていたのかを解説している。
    中世だろうと、現代だろうと生き物を殺さねば、人は生きていけない。「殺生」は不可避である。
    現代社会では分業により死を見せない「無痛社会」となっているのだけど、中世において各階層がどう対応していたのか?特に殺生を生業としているといっていい武士はどうする?
    ってな部分にも触れていいる。個人的にはこの部分をもっと掘り下げて欲しかったけども、紙面もあろうから難しいかなと。
    水田耕作は、コメだけでなく、淡水魚など水鳥など漁撈・狩猟に関わる生産の場になっていたというは、確かにそうだなと納得。

  • 国家や寺社による殺生禁断、その対象となる狩猟・漁撈といった生業に従事する民衆のあり方を様々な事例から検討し、中世社会を覆った殺生罪業感に対する理想と現実の相克が興味深い内容だった。

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著者プロフィール

1968年,福島県郡山市生まれ,筑波大学大学院歴史・人類学研究科単位取得退学,博士(文学,筑波大学),現在,就実大学人文科学部教授 ※2015年3月現在【主な編著書】『荘園社会における宗教構造』(校倉書房,2004年), 「荘鎮守における組織と祭祀」(『民衆史研究』68号,2004年),「中世前期における地域社会と宗教秩序」(『歴史学研究』820号,2006年)

「2015年 『殺生と往生のあいだ 中世仏教と民衆生活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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