幕末の海軍 明治維新への航跡 (近・現代史)

  • 吉川弘文館 (2017年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784642058599

作品紹介・あらすじ

ペリー来航から十年、洋式海軍が組織され、幕府権力の回復を目指す将軍家(いえ)茂(もち)は蒸気船で上洛した。武士たちはいかに西洋の新技術を導入したのか。蒸気船の普及、長崎海軍伝習所・軍艦奉行の設置、浦賀の軍港化や地域社会との関係を描き、海軍の実態を解明。急速な軍事技術の発達と幕長戦争・戊辰戦争の展開をたどり、明治維新のメカニズムに迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、本書の「あとがき」において、2004年から2016年まで横須賀市史編纂事業に携わったとのことで、本書の中でも横須賀市域に関連した記述が多い。しかしながら、著者の視点は、「幕藩体制に基盤を置く武家社会の中に新たな西洋技術が導入され、海軍が組織化され、機械工業化が進展していったことの政治・社会的影響を分析することが、明治維新のメカニズムを解明する一つの鍵になると考えた」ということにあり、この視点も踏まえてペリー来航以降、箱館海戦までをコンパクトにまとめている。肩こりなく一連の歴史の流れを知ることができる。
    本書の中で注目したのは、幕府/諸藩がどのような洋式艦船をどのくらい保有していたのかという資料の整理であった。幕府/諸藩別に、艦船名/受け取り年月日/船のタイプ/寸法/馬力/トン数/生産国/受取地/価額(ドル)のリストを5ページに渡り整理して展開している。安政元年(1854年)から慶応4年(1868年)までの間に幕府/諸藩が購入した洋式艦船の総数は117隻、内幕府が34隻、薩摩17隻、土佐10隻、長州6隻などである。このリストを見ると、実に多くの諸藩がペリー来航以降洋式艦船を購入したのかと驚かされた。
    なお、幕末期に登場した蒸気船については、船に焦点をあてた元綱数道著「幕末の蒸気船物語」(成山堂書店、2004年)の好著がある。

  • 西洋の技術を取り入れての近代化とは、軍権の中央への集中とは、社会への影響は…

    黒船来航で武士が武士たろうとしたが、そこには数々のハードルがあった。
    「蒸気船を買う」これは始まりに過ぎない。
    ・まず、これを扱う人員を教育しなければならない。
    ・どのように管理するか定めなければならない。
    ・運用する為には、石炭を供給する仕組みを作らねばならない。
    ・修理できなければならない。
    ・その上で、国産出来るようにしたい。

    近代的な海軍が成立する過程において、それが実現できるように国体の変更がなされたという考え方も出来るなあと。(結局、幕藩体制下においては、国家一元的な海軍が作れなかった)

    将軍家茂、蒸気船での大阪行きを行うなど先進的な面があったのね。

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