- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642058889
作品紹介・あらすじ
いまを遡ること1300年以上前、古代でも戸籍に人々が登録され、租税負担や徴兵の基本となっていた。どの範囲の親族が記載されたのか、人口総数や平均余命、貧富の差、出産数、歳の差婚が多かった理由、婚姻は通いだったのか同居だったのか、等々。偶然にもまとまって残された戸籍からみえてくる、人々の暮らしを鮮やかに描き出す。
感想・レビュー・書評
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戸籍に関する内容と、古代の家族に関する話題が半々。中盤は和歌などの引用や昔の戸籍の個別の説明が多く少し読み進めづらかった。
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今まで正倉院展で流し見してた正税帳の戸籍が今度からはなるほど!ってなるぞ。機械的事務的文書の戸籍からこれだけのものが見えて来るのか…!と驚かされる一冊。
正史や万葉集など同時代史料との関連も興味深い。
同時にやはり理解しきれない家族形態もあり、一般的イメージの古代の妻問婚など再考の余地がいくらでもあるようです。そして古代、仕事しんどいと愚痴る下級官人、歌にも見られる下層とされる人々、それよりもっとシビアな現実があるぞ。ということも思い知らされる。
古代にもあって、明治から現代に到るまで現行であるので戸籍当たり前の存在だったけど、間の時代はそういうものが無い、あってものこってないんですねえ。あまり考えたことが無かった…
戸籍も律令制の崩壊に伴って精度が失われて「最も古く、かつ最もまとまって残っている戸籍」じゃないと実情が見えなくなるというのはなかなか皮肉な話のような。正倉院文書もあのレベルで残ってるのは本当にすごいことなのですね。