六国史以前 日本書紀への道のり (502) (歴史文化ライブラリー)
- 吉川弘文館 (2020年6月19日発売)
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感想 : 9件
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Amazon.co.jp ・本 (284ページ) / ISBN・EAN: 9784642059022
作品紹介・あらすじ
日本古代史の基本史料として絶対的な古事記と日本書紀。だが、古代には?記紀?以外にも数多くの史書が存在した。帝紀・旧辞、天皇記・国記、上宮記など、いまでは本文がほとんど伝来していない史書をとりあげ、周辺の諸史料や政治過程からその実態に迫る。史書としての古事記を批判し、「六国史」以前の豊かな古代史書の世界へと誘う注目の書。
感想・レビュー・書評
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著者は上智大学院で学んだ高校の先生。古代史研究者で、他の著作もある。タイトルに惹かれて購入した。
帝紀•旧辞、天皇記•国記、上宮記などを関連史料や逸文等から類推し、最終的には古事記を史書のひとつとして位置付ける試みはダイナミックで読みでがある。
…しかし、私は論理的にはやはり無理があると感じた。本作は、今世紀に入った辺りから言われている"日本書紀の記述そのものに対する疑義"には一切触れていない。(例えば『天皇』という呼称がまだ無かった時代に、『天皇記』は本当に書かれたのか?…など)
…というわけで⭐︎ひとつ。よほどの古代史好き以外にはお薦めしません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
正史である六国史、その初めとなる日本書紀より前に存在した史書たちの実像に迫る内容。特に古事記の背景について、そうした史書史の流れの中に位置付けた分析と評価が興味深かった。
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日本紀講筵にほんぎこうえん
721年(養老5年)、812年(弘仁3年))・843年(承和10年)・878年(元慶2年)・904年(延喜4年)・936年(承平6年)・965年(康保2年)に計7回
参考テキスト? 先代旧事本紀、上宮記、古事記、大倭本紀(神代史、全2巻)、仮名日本紀(養老講書をもとに訓読するための本)
日本書紀の前に古語仮名之書が数十の家にあった(日本書紀私記 丁本)
帝紀、旧辞、天皇記、国記、上宮記、古事記
欽明朝のころにほぼ大王につく血統が一つに確立?(津田左右吉説)
稲荷山鉄剣の系譜の存在が雄略朝のころの文章による系譜の確立の証明?(著者)
大きくは帝紀、旧辞、氏族系譜と口承があり、5c後半の雄略朝では帝紀、稲荷山古墳出土鉄剣などの氏族系譜がつくられた。
7c初め推古朝で、天皇記(帝紀・旧辞)、氏族系譜として国記がつくられる。
7c前半の舒明朝で上宮記(聖徳太子系帝紀)、蘇我系帝紀は乙巳の変で焼失、国記は中大兄皇子に献上、その後庚午年譜、新撰姓氏録に。
7c後半に蘇我倉山田石川麻呂系の古事記がまとめられる。
812年の日本書紀の講書が主任講師の多人長(おおのひとなが)が仕切って開催。太安万侶推し。
日本書紀を正史として、当時の他の歴史書の状況がどうだったか結構わかりやすく解説。 -
旧事本紀は御巫清直によっても唱えられていた矢田部公望序文付加説。
だだし多人長が古事記に序文を付加したという見解なので、それを支持する事柄として似た例が他にあるということにしたいのかもしれない印象。
帝紀旧辞の成立時期についての津田左右吉批判はユニークかつ筋道が通っていておもしろい。支持する研究者が増えたらいいなと思う。 -
『日本書紀』『続日本紀』『日本後紀』『続日本後紀』『日本文徳天皇実録』『日本三代実録』以上を「六国史」と総称される。
その六国史のはじめ。『日本書紀』が完成に至るまで、はたして他に歴史を記した書物は何があったのか。そしてそれらはどのように繋がって、『日本書紀』に到達したのか。
帝紀、旧辞、天皇記、国記、上宮記、古事記、先代旧事本紀……後世残るそれらの欠片から、先達たちの研究を踏まえて推測を重ねていく本書。
可能性の域は出ないものの、非常に細かく詰めていらっしゃいます。
個人的には、雄略天皇の時期における帝紀と旧辞の章が面白く思いました。
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関根先生の授業を受けられる中学生高校生は羨ましいな。
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記紀およびそれ以外の上宮記などの名前のみ、あるいはごく一部が引用されて残る史書に関する考察と関係性の仮説提示。興味深いところだが、残念ながら記紀以外の史料があまりにも少ないのであくまでも推測にとどまる。
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東2法経図・6F開架:210.3A/Se36r//K
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