- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642059244
作品紹介・あらすじ
日本的な家制度が出現した中世。親子・兄弟が別居する家族システムで、人々はどのように暮らし、生き抜いたのか。鎌倉末期から室町・戦国期にかけての農業の変革、民衆の定住化、人口推移など、様々な角度から大変動の背景を読み解く。また、有力農民=名主が立場維持のためにとった戦略や財産相続の問題にも言及し、民衆の生活世界の変化に迫る。
感想・レビュー・書評
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古代から中世、近世にかけての家の考え方の変遷が、社会構造の変化とともに語られており、とても分かりやすかった。中世も核家族が中心であり、成人すると男は家を出て自分の家を作ることが多いこと、男女ともに結婚すれば家を持つことなどが分かる。また、室町時代後期に男系を中心とする家系を重んじる社会に移行する時代は、家系が薄れゆく現代とよく似た社会的状況ではないかという視座は興味深い。室町時代の社会や民俗の分かる書籍が少ないように思うが、探して読んでみたい。
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中世と言え、鎌倉時代が現代同様子供に平等に分割し、女子の権利も認められていたとは意外。開墾余地による家族形態の変化はわかりやすいが、では国ごとの違いはどこから来るのか疑問。
家族を歴史的に辿ることは興味深いが、それからまた別の疑問も発生する。
良書と思う。 -
考古学や建築学などの成果を踏まえて史料を精読し、核家族で兄弟姉妹が平等だった十一世紀から直系相続が重視される十四世紀までの変遷を辿る。
2022年3月・4月期展示本です。
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https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00598495 -
日本は伝統的に大家族は幻想。現代と同じく核家族の時代もあった。古代の村と中世の村に継続性はない。成人したら家を出る。青年が母に養われる例があったことには驚いた。昔もニートや仕事につけない人はいたのか。