物部氏 古代氏族の起源と盛衰 (545) (歴史文化ライブラリー)

  • 吉川弘文館 (2022年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784642059459

作品紹介・あらすじ

倭政権の中枢で勢力を拡大し、仏教の受容をめぐって蘇我氏と対立した氏族として知られる物部氏。その祖先伝承からウヂ名・カバネの成立、軍事・警察や祭祀など職掌の実態、全国に広がる同族、『日本書紀』の「崇仏論争」記事の信憑性、蘇我氏との勢力争いから敗北・衰退までをわかりやすく解説。通説を見直し謎に包まれた物部氏の実像を解き明かす。

みんなの感想まとめ

古代の氏族・物部氏に焦点を当て、その歴史的背景や実像を解明する内容が展開されます。日本書紀や古事記を基に、物部氏がどのように勢力を拡大し、蘇我氏との対立を経て衰退していったのかを探る過程は、非常に興味...

感想・レビュー・書評

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  • 会社からの帰路、本屋で偶々見かけて購入。

    古代史文献学という立場かな。

    日本書紀、古事記、先代旧事本紀を中心に検討した内容。
    物部氏が勢力を得たのは継体帝を淀川水系に地盤があった物部氏がバックアップしたからと見ている。
    持統帝の時代に勢力があり、日本書紀の編纂に関わった石川麻呂の存在がニギハヤヒなどの物部氏賛美に繋がっているとしている。
    また、石上神宮は天皇家が主斎する社で、物部氏は管理者に過ぎないとしている。

    なかなか説得力のある内容だけど疑問は残る。
    石川麻呂の存在だけで、神武帝のライバルであり先駆者のニギハヤヒを創造できるものだろうか。
    断定はしてないけど、物部氏が勢力を得た継体帝以前については疑問を持っている様子。
    しかし、元々、纏向に各地の氏族が集まった段階では強力な王権は無かったはず。物部氏がその中心にいたから、ニギハヤヒの名が残ったのではないだろうか。
    それに、石上神宮が祀る神=剣を物部氏に管理させたのは、元々物部氏の剣だったのではとも思う。

  • 蘇我氏と対立し敗北したとされる古代氏族・物部氏について、基本史料である日本書紀の記述を中心に、史料批判を踏まえながら、その出自や職掌・成立から衰退までの実像を解明しようとする内容。祖先伝承の解体過程が興味深かった。

  • まさに物部氏学習の教科書。物部氏を調べたい・考えたいときに、これより先に読んでおく本は存在しない。まずはこの本から手を付けるべき。
    専門書『物部氏の研究』(雄山閣刊)を一般向けにリライトしたものかと思われたが、前著では扱っていなかった論点についても書かれている。著者篠川氏の特徴として文献史学の分野で通用すれば良しという面があり、考古学や神話学など隣接分野との整合をあまり考えない方のようだが、前著にくらべたらやや改善も見られる。プロの史学者としてはその態度も正しいともいえ、読んで損はない。
    近年躍進著しい布留遺跡の考古学成果などを用いてより理解を深めるのは、読者にゆだねられてるのである。

  • 物部氏という氏族の発祥や古墳時代以降の足跡について、日本書紀を主軸にしてその記述が粉飾された物語であるか一定程度信頼のおける記録を元にしているかを各年代ごとに精査し、登場する物部の人物の業績を検討する。その実在性は継体天皇以降であり、物部というグループの元来の職掌(最初から石上神宮と関わりがあるのではない)や物部○○連という伴造的な一族の構成の様子、その受け継いでいった権力の大きさと性質を大連というカバネとマヘツキミ(大夫)層の関連から解説する。また、日本書紀での物部氏の存在の大きさは編纂当時に権力を持っていた物部後裔の石上麻呂が関わっている可能性があるという。

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著者プロフィール

1950年、神奈川県生まれ。1981年、北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、成城大学名誉教授、博士(文学) ※2022年3月現在
【主要著書】『日本古代の王権と王統』(吉川弘文館、2001年)、『物部氏の研究』(雄山閣、2009年)、『古代国造制と地域社会の研究』(吉川弘文館、2019年)

「2022年 『物部氏 古代氏族の起源と盛衰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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