- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642059824
作品紹介・あらすじ
温泉旅行は、どのように今日のような身近なレジャーとして定着してきたのか。観光遊興と湯治療養の両面をふまえ、その歴史を辿る。旅行形態や費用感、交通・情報インフラなど、旅行をめぐる社会環境が変遷するなかでの温泉地側の対応にも言及。日本人の温泉愛とそれを支えた屋台骨に着目し、江戸から現代へ至るまでの温泉旅行の通史を描き出す。
感想・レビュー・書評
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2024年11月読了。
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江戸時代の湯治からコロナ禍のGOTOキャンペーンまで、温泉旅行の歴史を通覧する一冊。
時代時代で温泉の利用の仕方・整備の仕方が変わっていく様子がよくわかる。
古い時代も勉強になったが、知ってるようで知らない70年代以降の温泉旅行は自分ごとにしやすく、面白かった。 -
レジャーの定番中の定番、温泉旅行。湯治に始まり家族旅行など。日本人は温泉とどのように向き合ってきたか。団体旅行の衰退、インターネット、コロナ禍まで、温泉旅行を概観した一冊。
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東2法経図・6F開架:689A/Ta57o//K
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通史として見ると、保養からレジャーへ、温泉自体からグルメや名所へ、と対象が変化してきたのが分かる。一方で今や都市部でも日帰り施設などで温泉を楽しめる。ただやはり、遠隔地に温泉旅行に行きたいと思う。
温泉旅行が大衆化したのは大正期からで、WWIの好景気にもよる。20年代の不況下でも盛況、温泉地の観光地化。30年代でも旅行ブーム。
50〜60年代には旅行が余暇として定着。団体旅行中心で、温泉地は巨大化。交通機関の整備やメディア宣伝、旅行会社の発達も。また、ヘルスセンターを含めレジャー施設が増加。70年代からは少人数や秘湯志向など多様化。80年代にはバブル景気の中でリゾートマンションや旅館の増改築。
バブル崩壊後、企業の保養施設減少や旅館の経営悪化。21世紀に入ると、共同浴場を活用する草津や別府の模索、ネットによる情報発信・入手や予約、インバウンド旅行客の増加。コロナ禍で宿泊者数は激減するが、感染症対応やワーケーション対応への試みも。