平将門の乱 (戦争の日本史4)

著者 :
  • 吉川弘文館
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本棚登録 : 54
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642063142

作品紹介・あらすじ

平安貴族社会を揺るがした辺境の反乱=平将門の乱。全国各地に伝説が残り、今なお人々の絶大な信仰を集める将門の知られざる実像とその時代を、『将門記』や新史料などから描き出し、将門の乱の歴史的影響を検証する。

感想・レビュー・書評

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  • 進行しつつあった律令国家の地方政策変化と絡めつつ、「将門記」を軸に乱の全容を描き出す内容。後世に与えた影響の考察において、武士の発生に関する画期として捉える視点は興味深いものがあった。紹介される欠損史料の復元過程も面白い。

  • 将門って、面倒見の良い親分肌って感じ?
    色々と人に泣きつかれて、仲裁しているうちに、大事になっていて、いつの間にか祭り上げられたって感じ。
    社会制度に矛盾が生じていて、この手の内乱が起こるのは必然だったということかも。同時発生的に西日本で藤原純友の乱も発生しているし。

  • 丁寧に書かれた良書ではあるのですが、将門ほどよく語られる人物を読むにこの本を一番に押す理由はありませんでした
    一冊読むなら講談社学術文庫の方を読むことをお勧めします
    もちろん部分的にはこちらの方が詳しい箇所もあるし、補完的に読むことも可能ですが

  • 「将門記」をひもといて平将門の乱を詳細に解説。
    武士の成り立ちを平将門の乱を発祥とする仮説はおもしろい。文門と武門と言う切り分けが新鮮に感じた。
    当時、武士(武門)の地位は低かったと考えているので、将軍および軍艦への任命時に一端武官へ任命してからと言うのは理解できるが、その時に貴族から反発がなかったのか?それともそういう位であっても欲しいというような無位無官の人たちが任官されたのか?その辺りをもう少し解説して欲しかった。
    平将門の乱の全体像と、その時代背景が理解できたのは良かった。

  • 平将門の乱を、『将門記』を中心にしつつ具体的に描写する。その過程で、八幡神・菅原道真公の託宣の必然性や、村岡五郎こと平良文が実は将門と敵対していたことを示すなど、概説書でありながら将門の乱の内容に対する新説が提示される。なかでも、承平天慶の乱の鎮圧者の家系が武士の家として後世重んじられたとする指摘は非常に興味深い。

  • 冒頭から荒俣宏の「帝都物語」を引き合いに出すなど、軽やかな筆運び。将門は最期、少数の兵しか手元に残らず、凄惨なエンディングを迎えたことになっているが、その最後の合戦でも結構善戦していたのだということが本書を読んでわかった。

    それにしても、見てきたようなことを書く(しかも、坂東と京の二元中継で!)『将門記』の著者は、いったい誰なのだ???

  • 20110110読了

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著者プロフィール

川尻 秋生(かわじり あきお)
早稲田大学文学学術院教授。日本古代史。
〔主な著作〕『古代東国史の基礎的研究』(塙書房、2003年)・『全集日本の歴史4 揺れ動く貴族社会』(小学館、2008年)・『シリーズ日本古代史5 平安京遷都』(岩波書店、2011年)・『古代の東国2 坂東の成立』(吉川弘文館、2017年)・『シリーズ古代史をひらく 文字とことば』(編著、岩波書店、2020年)

「2023年 『墨書土器と文字瓦 出土文字史料の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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