ポツダム宣言と軍国日本 (敗者の日本史 20)

  • 吉川弘文館 (2012年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (244ページ) / ISBN・EAN: 9784642064668

作品紹介・あらすじ

ポツダム宣言を受諾、再出発した〝敗者〟日本。軍国化への道と太平洋戦争の敗北から何を学ぶことができるのか。最新の研究成果を駆使して敗因を分析し、そこから得た教訓が戦後日本にいかなる影響を与えたのかを探る。

みんなの感想まとめ

日本の近現代史における軍国主義の形成とその影響を深く掘り下げた作品で、ポツダム宣言に至るまでの歴史的背景を詳細に分析しています。著者は、明治初期から昭和期にかけての日本軍の動向を追い、軍部の権威主義や...

感想・レビュー・書評

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  •  書名には「ポツダム宣言」とあるが、日中戦争及びアジア・太平洋戦争期の日本軍隊の動向を中心としつつも、明治初期の日本軍の創設以来の「前史」、占領期の軍解体や戦後平和主義の定着過程の「後史」まで含む広義の「日本近現代政軍関係史・軍隊史」となっている。

     近年の政軍関係史研究は明治憲法体制の立憲主義的運用や「文民統制」を過大評価したり、明治期の日本軍と昭和期の日本軍の「断絶」を強調する傾向が台頭しているが、本書は昭和期の軍部の権威主義や独善性の究極の原因を明治の建軍過程に求め、明治憲法の専制的性格や「統帥権の独立」や軍部の政治化プロセスについてもほぼ通説に従っている。定評ある先行研究に多く依拠しているだけあって目新しさはないが、日本軍がいかに肥大化し、なぜ未曾有の大戦を引き起こし敗北したか?というテーマに実証的・論理的な回答を与えている。戦地での戦争犯罪や銃後の庶民生活との関連にも言及し、総じて日本軍の非人道的な「体質」に厳しい評価を与えている。

     近年の歴史修正主義の台頭や平和主義に対する反動への楽観的評価は疑問だが(ただし第2次安倍内閣発足前の執筆であることは考慮しなければならない)、東大アカデミズム史学出身の著者にしてはかなり思い切った軍国主義批判を行っている点も注目に値するだろう。

  • 貸出状況はこちらから確認してください↓
    https://libopac.kamakura-u.ac.jp/webopac/BB00249054

  • 古川隆久『ポツダム宣言と軍国日本』吉川弘文館。ポツダム宣言で大日本帝国は崩壊したが、なぜ愚かな戦争に突入したのか。先行研究を踏まえた上で、本書は明治維新から敗戦に至る経緯を概観し、その問いに答えようとする。著者が一貫して批判するのは「国民不在の国家」づくりという点。これは戦後も変わらない。

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著者プロフィール

【著者】古川 隆久(ふるかわ・たかひさ)
1962年、東京都生まれ。86年東京大学文学部国史学専修課程卒業、92年同大学院人文科学研究科博士課程修了、博士(文学)。現在、日本大学文理学部教授。著書に『戦時下の日本映画』(吉川弘文館、2003年、大衆文学研究賞)、『建国神話の社会史』(中央公論新社、2020年)、『昭和天皇』(中公新書、2011年、サントリー学芸賞)、『近衛文麿』(吉川弘文館、2015年)、『昭和史』(筑摩新書、2016年)、『皇紀・万博・オリンピック』(中公新書、1998年/吉川弘文館2020年)、『戦時下の日本映画(新装版)』(吉川弘文館、2023年)、『昭和天皇拝謁記 初代宮内長官 田島道治の記録』(全7巻)(編集委員、岩波書店、2021-2023年、毎日出版文化賞)など。

「2024年 『政党政治家と近代日本 前田米蔵の軌跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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