北の軍隊と軍都 北海道・東北 (地域のなかの軍隊)

  • 吉川弘文館 (2015年2月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784642064736

作品紹介・あらすじ

ロシアに近い北海道・東北地方は軍事戦略上重要視され、仙台・旭川・弘前に師団が設置された。それら三都市を中心に、市民生活と軍隊の関わりを描く。徴兵忌避、アイヌの徴兵・召集、災害時の軍隊の役割にも言及する。

感想・レビュー・書評

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  • 最初は、試行的な徴兵。最初のアイヌの徴兵は、模範的に大々的に宣伝できそうな人選。当初は、歓迎と警戒の両方。これで日本人並になれるという意気込みと、場所請負制の記憶から酷使され虐待されることへの恐れ。徴兵が進むと、アイヌの集落に在郷軍人がでることとなり、日本名への改名も進み、戦死時に和人が参列するようになると、アイヌ独自の葬送の儀式は段々にすたれていった、と。/兵役検査不合格の欄に「腋臭」というのがあって、本来人それぞれ相対的なものを、”シャモ”を基準にアイヌを"測定"することで合否を判定。アイヌの合格率の低さには、疾病率の高さのほかに、このような偏見も由来していた可能性。/"いかに「皇軍」兵士としての「平等」がうたわれようとも、そして実際にはアイヌがそこに「平等」を仮託したとしても、実態には決してそれが確保されたわけではない"

  •  所収論稿以下の通り。

    山本和重「北の軍隊と地域社会」「社会運動家と軍隊」「北海道の徴兵制」
    加藤宏「第2師団と仙台」
    平野友彦「第7師団と旭川」「徴兵忌避と夏目漱石の北海道転籍」
    中園裕「第8師団と弘前」「八甲田雪中行軍遭難事件」
    手嶋泰伸「大湊要港」
    小川正人「近代北海道のアイヌと徴兵・軍隊」
    谷本晃久「近文アイヌと軍隊」
    伊藤大介「昭和三陸津波と軍隊」

     近代の東北・北海道における軍隊と社会の関係に関する論文集。師団所在地であった仙台、弘前、旭川の都市形成過程と軍隊の関係、徴兵や徴兵忌避の実態、軍隊駐屯による住民生活や地域経済への影響、少数民族アイヌと軍隊の関係、軍隊による災害救援活動など、問題は多岐にわたる。研究の空白がまだかなりあることが示唆されており、現時点における東北・北海道の軍隊の社会史的研究の集大成であると同時に、今後の研究の出発点となる書であろう。

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