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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784642066044
感想・レビュー・書評
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日韓併合は日本の侵略の帰結、としつつも内容は実証的でイデオロギー色は感じない。1987年の本に加筆補正して92年刊行だが、当時としては現在以上に珍しい論だったのではないか。
日本の対韓政策を規定した要因は欧米列国の東アジア政策、清朝中国の対韓政策、朝鮮の内外政策、日本の国力、の4点。これら要因に基づき、不干渉、保護=干渉、実質的保護国化、保護国化と伊藤統監下での各政策、併合、と段階的に変化していく。第三次日韓協約の時点でも伊藤はもちろん日本政府の多数意見は即時併合に消極的だった。それが、保護政治下での抵抗運動、間島問題と満洲問題の連関の欧米の干渉の可能性が併合を後押しする。露は併合を事前承認していたし、他の列強が反対した形跡は、少なくとも本書からはない。
朝鮮指導層内部での一体性欠如も目立つ。開化派内でも、甲申政変を起こした旧開化派、金弘集など穏健派、より親日的な新開化派。「高宗・閔妃の最大の関心事は王朝と自己の政治的地位とを保つこと」との評価は木村幹の著作と同じだ。また高宗は、対外政策のみならず国内でも、自らの独裁的権力のため各党派を相互牽制させる「勢力均衡政策」を採る。高宗のこの政策が崩れると、李完用は高宗退位の上での両班貴族主導政治のため、伊藤・日本と接近する。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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