織田政権の登場と戦国社会 (列島の戦国史)

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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642068550

作品紹介・あらすじ

16世紀後半、織田信長は室町幕府に代わる政権を打ち立て、全国を統合へ向かわせた。将軍義昭の追放、朝廷への対応、大名との衝突と和睦などの政局に加え、都市や流通、宗教など社会の諸相から織田政権の実像に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 教科書やドラマなどで触れてきた織田信長の事績と戦国時代における位置付けを、最新研究の成果を加味しながら、批評検証する。信長の台頭は足利将軍家あってこそで、その政策も少なくとも幕府滅亡までは、他の戦国大名に近かったという。が、それは彼の評価を下げるものでもなく、時代の橋渡し時は、概ねそんなプロセスを経るのだろう。信長の家臣の扱い方と接し方も含め、急膨張した織田政権には家臣団の結束に課題があり、それが本能寺の変や織田家瓦解に繋がったとする指摘は、目新しくはないがもっともで、彼の弱点が命取りになった点、1人の人間としてかえって親しみが湧く。論考は史料に基づいて慎重かつ客観的で、安心して読めた。

  •  各地の戦国大名の統治方式や室町幕府末期の将軍権威に関する研究が進展したことにより、従来、信長の革新性を表すものとされてきた振舞いや政策に関する評価が相対的に低下しているのが、最近の信長研究の大きな動向のようである。

     本書もそれらの先行研究に拠りつつ、通時的に信長の動きを追っていきつつ、将軍義昭や朝廷との関係、他の有力大名との対立や協調、宗教権力への対応といった論点を述べていく。

     信長については小説やドラマから受けた印象が強く、まとまった形では勉強してこなかったので、本書の叙述は比較的淡々としているが、大変理解しやすく、信長の全体像がしっかり浮かんできた。

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  • 織田信長の政権について、最新の研究も踏まえ、迫っている。守護代どころか守護代を務める織田家を支える三奉行の家柄であった信長が、本能寺の変で死すまで。
    テレビドラマでは家臣とよく話しているイメージがあるが、家臣団が集合する正月儀礼ぐらいしかなく、しかもそれすらやらない年もある。そして、政権運営を家臣と話し合う事もほとんどなく、堀秀政や森蘭丸などの側近ですらあくまで連絡役である。ワンマン体制のメリットもあるが、大雑把過ぎる。また、家臣が裏切るのは思っていないので、人質などもあまり取らず、一方的に信用しているなど雑な感じがする。
    とは言え、従来の超が付くほどの革新的な人物ではなく伝統にも敬意を払う現実主義な人物説をここでも採用しつつ、既にどこかの国でやっている政策を取り入れていく姿勢は良い。岐阜の楽市令が復興を目的とした標語的なものだったとは知らなかった。
    仏教憎しキリスト教は保護という人物像も全く違う。辛く当たるのは、その争いで身内が殺されているケースや、見せしめの意味を持たせる際などで。当時の人がキリスト教を仏教の新たな一派だと勘違いしていた可能性が傾向があったようで、信長ももしかしたらという話は面白かった。
    本能寺の変に関しても、織田信長ほどの人物であったから、何か大きな陰謀があったのでは?と考えず、室町将軍や細川政元などの暗殺もあったわけだから、信長のケースだけ特別視しないように書いてあり、あっ!そうだよな、と思った。佐久間信盛の失脚も踏まえると、やはり長宗我部絡みのトラブル説かな?仮に信長が生きていたとしたら、四国平定後に同じように光秀にいちゃもんをつける可能性がある。そして何より、光秀の反乱が何の根回しもなく、突発的過ぎる。
    あとがきも、読んでいてニヤっとするような話があり、最後まで面白かった。

  • できるだけ客観的に丁寧に根拠にあたり述べており、違和感なく読めた。いろいろな武将の名前が出てくるがほぼ信長の野望に登場する武将達ばかりであり、公家も麒麟がくるで登場してきた者達で頭の中にイメージしやすかった。組織のあり方という面で現代にも参考になった。

  • 東2法経図・6F開架:210.47A/R28r/8/K

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著者プロフィール

1980年、北海道に生まれる。2008年、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。現在、藤女子大学文学部准教授 ※2020年10月現在
【主要編著書】『長宗我部氏の検地と権力構造』(校倉書房、2008年)、『長宗我部元親』(編著、戎光祥出版、2014年)、『長宗我部元親・盛親』(ミネルヴァ書房、2016年)、『兵農分離はあったのか』(平凡社、2017年)

「2020年 『織田政権の登場と戦国社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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